立憲民主党・本多平直議員は「詰腹」を切らされたのか?近代政党のガバナンスにおける危機感

こんばんは、音喜多駿(参議院議員 / 東京都選出)です。

立民離党の本多平直衆院議員が議員辞職の意向表明
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210727/k10013163611000.html

「14歳と性交」発言で物議を醸し出していた立憲民主党・本多平直議員が離党、比例代表選出ゆえ筋を通して辞職されることを表明されました。

何度か本件はYouTubeで取り上げてきましたが、私は本多平直議員の性的同意年齢に対する意見には賛同しません。

賛同しませんが、内部の会議で出された発言について、一度は「厳重注意」という処分を下した後に、さらに党員資格処分という屋上屋を重ねる対応がされたことには疑問をもっていました。

一連の党による強引な処分に対しては、表現・言論の自由やガバナンスを重視する支援者からも批判の声があがり、一度は本多忠直議員も徹底抗戦の構えを見せましたが。

さらに党内で(二人で)行われた議論の内容をリークされて万事休す。自ら離党・議員辞職を表明し、「詰腹」を切らされた形となりました。

立民・本多氏「12歳と21歳だってないとはいえない」 WT寺田座長が意見書
https://www.sankei.com/article/20210726-4Y7OO6URJVOPFDAVVL42XNE73I/

議員同士・二人の会話が録音されていたり、その内容・報告書が公式に発表される前にマスコミリークされて記事になるなど、ちょっと話がエグすぎてついていけないというのが率直な感想です…。

本日行われた本多平直議員の辞職会見でも、この「リーク」について強く遺憾の意が示されるとともに、これが辞職の決定打となったことが述べられています。

一連の流れは、(立憲支持者も含めて)多くの方が指摘をする通り、民主主義社会における近代政党のガバナンスとして危機的な問題を含んでいます。

まず議員の身分にかかわる「党内処分」というものは、極めて厳密に行われる必要があります。

お恥ずかしながら我が党もこれまで、所属議員が身分にかかわる処分を受ける不祥事を起こしたこともありますが、

「こんなの、即座に除名(離党勧告)だろう!」

と思われるような案件でも、しかるべき会議体を開き検討し、前例などに照らし合わせて処分の軽重を慎重に見極め、本人から異議申し立てがあれば受ける体制を整えてから処分を発表しています。

今回の立憲民主党の対応は、本多平直議員本人も主張されておりますし、外部から見ていてもその手続き・デュープロセスが遵守されているようには思えません。

そしてもう一つは、非公開の内部議論→マスコミへのリーク→世論沸騰→処分という流れが確立してしまったことです。

私は自民党であれ立憲民主党であれ維新であれ、内部の非公開議論の発言が切り取り報道されることは良いことだと思いません。

「政治家なんだから、非公開の場であろうと発言に責任を持て」

というのは一理ありますし、それがマスコミに報じられて有権者から批判がまき起こることは仕方ないとしても、それに「党」という組織が乗じて処分まで行えば話はまったく別物になります。

お恥ずかしながら政治の世界というのは、足の引っ張り合い。こんなことがまかり通れば、党内にいる「政敵・ライバル」の発言を録音し、マスコミやSNSにリークするような行為が横行することにならないでしょうか。

それは近代政党内で自由闊達な議論が行われなくなるという、政策集団としての「死」を意味します。

そして今回の出来事は、政党ガバナンスのみならず「表現の自由」という観点からも多大な懸念を残しました。

こうした流れが政党・政界全体に波及しないよう、十分に留意をし他山の石としていきたいと存じます。

それでは、また明日。

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