こんばんは、音喜多駿(参議院議員 / 東京都選出)です。
公明党が21日に突如、選挙公約として「子どもに一律10万円給付」を大々的に発表し、にわかに関係各所が色めきだつ事態となっています。
選挙関係者の間では案の定、
「ウチもインパクトがある政策を打ち出さないと」
「与党が10万円というなら、野党はそれ以上の金額や頻度を」という話が浮上しており、積極財政や子どもへの支援はまったく否定するものではありませんが、ここまであからさまだとさすがにゲンナリするというのが正直なところです。
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すでにあらゆる方面から総ツッコミを受けている通り、与党なのだから「選挙後」と言わず臨時国会を開催して一刻も早い実現を目指せるはずですし、
「コロナが長期化したことで、特に子育て世帯が影響を受けている」
と述べているものの、そんなのはとっくにわかりきっていたことであって、なぜ「今、このタイミングなのか」は選挙目的以外には考えづらいです。
百歩譲ってタイミングが今だとして、少なくとも政府与党は再度の現金給付に向けて、制度面の構築をもっと真剣に・早急に進めておくべきでした。
前回の一律10万円給付で判明した通り、我が国の行政は「誰が困っているのか」をタイムリーに把握することも、困っている人に迅速に現金を給付することもできません。
困窮世帯を把握できないから、前回も「全国民一律」という苦肉の策が発動され、さらに自治体に業務を丸投げして高コストになった挙げ句、手元に現金が届くまで数ヶ月を要しました。
だからこそ、マイナンバーと銀行口座を紐付けて正確な所得をタイムリーに把握する(全口座を紐付ける)、登録口座に迅速に・直接現金を振り込める(最低一口座だけ紐付ければ可能)などの仕組みを、再度の緊急時を想定して一刻も早く構築しておかねばなりませんでした。
給付のための口座登録については、先の2021年通常国会の終了間際にようやく関連法案が成立したものの、未だに実装には至っていません。
そしてマイナンバー全口座紐付け=タイムリーに困窮者を把握することについては、ほぼ議論が進まず実態も変わらないまま現在を迎えており、結局「全国民か」「非課税世帯か」「子どもたちのみか」という、いずれにしても分断を生み出さざるを得ない線引が繰り返されるわけです。
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なお、こうしたマイナンバー活用が進まないのは、共産党や立憲民主党などの一部野党が強く反対していることも要因の一つであることは同時に指摘しておきます。
公明党の子ども一律10万円給付の詳細は明らかではありませんが、分断を生み出す小手先のバラマキではなく、マイナンバーという制度は勿論、同時に最低所得保障(ベーシックインカム)などで根本的な社会保障の設計を考え直す時です。
多くの社会保障が「申請型で事後給付」という状態から、「申請不要の事前給付」型への切替が必要です。
与党がこうした出方をする以上、選挙戦術は選挙戦術で考えなければならないことも事実ですが、選挙前の軽挙妄動にはできるだけ惑わされず、骨太の議論ができるように政策を訴えてまいりたいと思います。
それでは、また明日。