守れ。葛西臨海水族園【第7章】小池知事に届いたハーバード大からの手紙
守れ。葛西臨海水族園【第7章】小池知事に届いたハーバード大からの手紙
葛西臨海水族園本館の存続に向けて、地域を回っているとありがたいことにお姐blogを呼んでくれている少なからぬ方々から「葛西臨海水族園を水族館のまま残して!」というお声がけを頂きます。
改めてどんな問題が起こっているかと申しますと…
本来は葛西臨海水族園をどう維持して、地域に根差した生物多様性及び環境保全のサンクチュアリの実現、そのために都政事業の責務をどう果たして行くのか議論すべきであったはずが、いつの間にやらハコモノスクラップアンドビルド検討会に変容、“あり方検討”から““ハコモノ”更新構想”→世界的“巨匠”「谷口 吉生作品」の本館から水族館機能を奪い…やがては解体か、怪しげなベンチャーに売り渡す懸念もされる““ハコモノ”事業計画検討”へとすり替わり、12月19日の日本建築学会の「葛西臨海水族園の長寿命化を考える」シンポジウムには日本の世界の錚々たる建築家たちが結集、12月23日の検討会は、解体ありきのように話を進める東京都建設局サイドVS存続すべきと異議を唱える委員と大紛糾し、大きくテレビ・メディアに取り上げられたのでございます。
詳しくは、過去blog1章~6章を是非ご一読ください。
【ハーバード大教授から知事への要望書】
谷口吉生氏設計の水族館から水族園機能を奪う蛮行に、世界から声が届いております。
4章では画像でのご紹介でしたが、改めて先月のシンポジウムにて知己を得た建築家の皆様からのご協力及び、快諾を得まして、全文をご紹介いたします。
令和一年12月17日
東京都知事小池百合子様
日本国憲法第16条および請願法第3条に基づき、請願書(質問書)を提出いたします。同法第5条に則り、誠実なご処理ご検討の上、各質問項目に着き、ご回答を頂きますよう、請願いたします。
世界的にも有名で日本の建築界からも高く評価されて数々の賞を受けた名建築の葛西臨海水族館が取り壊される可能性が出ているということは事実でしょうか?
大変遺憾に思うので意見書を提出いたします。
かけがえのない人類共通の文化遺産としての価値を所有する優秀な建築物です。東京湾をひろく見渡せる場所で自然環境と純化された建築がバランスをとりながら独自の造形となり水とのランドスケープをつくり訪れる人々にとって忘れがたい光景を生みだしている稀な場で敷地と建築の取り合わせが非常に美しい名作です。30年たった今、子供や孫と一緒に大切な思い出を共有できる場所でもあります。水族館建築としても展示手法の改革や建築空間との調和など世界的なインパクトがあります。
世界的な建築家の谷口吉生さんはハーバード大学院建築科の卒業生でもあり彼の名建築を細かい計画や議論、策定なしに破壊するという自治体の行為は国際的に非難の的になるでしょう。全世界が対面している環境問題の原因のひとつには建築物を消耗品のようにあつかうスクラップアンドビルドなので特にこのような優れた作品を壊して新しい施設を隣に作り替えるという案は大変厳しく批判されます。
サステナビリティは建築をどう長く上手に環境と調和させながら継続させるかという課題なので運営やメンテやアップデートをを怠ると老朽化は防げません。調査や改修案が何度か都に提出されていたが‘無視されている状態が続いたと聞いています。自治体が己の責任を逃げて痛みが激しいから壊すというような理屈は通らないと思います。
日本の現代文化は成熟性が高く独自の文化財産を大切に改修、保存を続けて既存物を長生きさせるお手本を他の国に示し発信するチャンスと責任が東京都にはあります。20世紀の名建築の継続は世界中の大きな課題ですがもっと古く修繕が難しい名建築がよみがえって現役で活躍をしている例がたくさんあります。美しい建物が人工的に失われていくのは大変悲しいことです。
自分たちの文化と思い出を壊していくことになるのですから。
既存水族館の建築,文化的価値を改めて考えていただき建築の長寿化と考慮した適切な公園全体の整備計画の策定を検討いただきたいと思います。
ハーバード大学院建築科教授
森 俊子
Harvard University Graduate School of Design
Toshiko Mori
University of Washington Department of Architecture
Professor
Ken Tadashi Oshima
Columbia University Graduate School of Architecture Planning and Preservation
Director, Professor of Historic Preservation
Jorge Otero Pailos
【イエール大教授からの要望書】
東京都知事 小池百合子 殿
2019年12月16日
親愛なる小池知事
私は、高名な建築家である谷口吉生氏の設計による葛西臨海水族園が取り壊される可能性があることを知りました。この建築が取り壊されるかも知れない事に、強く異議を唱える方々と共に、私も同じく声をあげたいと思います。
私は、米国イェール大学建築学部にて教授および准学部長を務めております。
葛西臨海水族園は、海岸線を積極的に利用する建築、かつ、海面が上昇するというこの時代に、陸と海の関係を理解する精神を表現している建築の貴重な模範事例です。
私たちは、建築と自然がどのように共存できるかを示す例として、この建築のことをイェールの学生に教えています。 この計画は、審美的な財産であると同時に、日本の環境保護活動への取り組みを示す証でもあります。
葛西臨海水族園は、私個人にとっても非常に大切なものです。過去15年間、日本で建築を実践する機会がありました。
この間、私の設計事務所であるstudioSUMOは、大林組および清水建設と共同で、建築賞を多数受賞した城西大学の建築設計と建設を実施しました。
又、この期間、ほぼ20年に渡り、私は千葉県東金市の城西国際大学に拠点を置き、非常勤教授を務めていました。
葛西臨海公園との最初の出会いは、東京を往復する際に京葉線から、海の景色を額のように切りとる美しい長い建物を見たことでした。
このプロジェクトは、数え切れないほどの通勤者で混雑した車内で、私が毎日経験したランドマークです。この眺めと公園は、私が日本で設計した建築に強い影響を与えました。この計画は、形態と外観はミニマルですが、周辺景観の中で際立つ存在感は今でも永遠に私の心に刻まれています。
私は、当局の皆様に、葛西臨海水族園の建て替えという決定を再考し、日本の歴史的名作のモダニズム建築群に愛情を持って接する新しい時代を開いて頂きたく、謹んでお願い申し上げます。
敬具
スニル・バルド
イェール大学建築学部建築学准教授(非常勤)
studioSUMO代表
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小池知事はさまざまな政策、定例記者会見にて環境問題を重視され、「サステイナブルな都市」「持続可能な東京」発言を多発されています。私も少し関わらせていただいたサステナブル・ブランド国際会議東京 実行委員会主催の「サステナブル・ブランド国際会議2017東京」イベントでは講師として登場して下さってもいますから、ハーバードとイエールといったアメリカの有名大学の教授陣が東京都知事へ直接要望を出すという異例の事態について、必ずや真摯に受け止めて下さっていると信じたいものです。
今日も東京都商工会議所江戸川支部の賀詞交歓会でありましたが、何人も「どうなっちゃうの?!壊さないでね」と要望を受けました。
そして、さらに、現状を憂う二の矢、三の矢が知事室に放たれたのであります。
つづく!
【お姐が行く!】
昨日は、ご縁を得て令和初の初場所大相撲の観戦をさせていただきました。
▲炎鵬の一番。体勢不利な中持ちこたえ、「大逆転」が起こり下手出し投げで白星☆
百貨店の広告で一気に注目が集まった小兵炎鵬、横塚白鵬に勝った金星・遠藤、お姐母方故郷茨城の高安、富山の星・朝乃山と応援していた力士が勝って、なんと両横綱が負け座布団が乱れ飛ぶ大波乱の展開に!
▲大相撲ファン歴の長いお姐も、ビックリなほど座布団が舞いました。
政局も先が読めない中、大相撲では新しい力が台頭。
この日に観戦とは運命的でありました。嵐を呼ぶお姐?!
お相撲さんに貰った勇気、都政にぶつけます!
さ、ひっくり返そう。
☆お姐、土俵際で踏ん張り最後まで諦めない者に勝利が!という方↓お願いします!☆