守れ。葛西臨海水族園【第9章】東京都素案に反論します。

先週末は、「葛西臨海水族園の更新に向けた事業計画(素案)」についてパブリックコメントにご協力頂きましてありがとうございました。都がパブコメ結果を改竄出来ぬよう、別途同文も当方サイドへお送りいただきエビデンスも沢山確保いたしました!
存続諦めず進めますので、今後とも引き続きご協力ご支援よろしくお願いします。
これまでの経緯はこちら 

【都のお手盛り素案に物申す】
今般の葛西臨海水族園存続にむけてのアクションについて
「別に古い建物なんだから壊しても良いじゃん」
「老朽化とかバリアフリー対応してないんだからダメじゃん」
というお声に、過去blog【第6章】なぜ残す必要があるの?でお答えしておりました。
次いで多いご意見が東京都の「東京都が葛西臨海水族園の更新に向けた事業計画 (素案)」を鵜呑みにしてしまい「昨今の世界中の水族館の展示形態の急速な変化もあり仕方ないのでは」というようなものです。そう思うのは致し方なく、罪のないことです。なぜなら、何も知らない読み手が、そういう風に感じるように用意周到、巧妙に素案が作られているからです。

そこで!!東京都建設局のミスリードにまんまとひっかかって、思うつぼにならないよう、ホワイトナイト建築家の皆様のお知恵を頂戴して新施設を建設する理由に対する意見・反論を、述べさせていただきます。

【チームお姐による反論】
葛西臨海水族園のあるべき姿 (3)実現に向けた進め方 (6~7ページ)への意見・反論

☆検証1☆
東京都「新たな理念の実現に向けては、生き物と人かをつなぐ展示と、展示効果を高める 空間演出が重要となり、これまでの展示・空間演出を抜本的に刷新しなければ実現できません。 」

チームお姐反論「「抜本的」「刷新」とありますが、曖昧な言葉により意味不明。現水族園本館の外部空間と内部空間、明暗の空間を生物展示と対応させた空間演出は素晴らしく、30年経った現在でも、十分に魅力的ですし、いつも新鮮さを感じさせる空間です。またそのテーマは岩から染み出す一滴の雫から全世界へと拡がる世界観を表現しており普遍的なものです。
お姐総括「安易な映像と組み合わせた展示など、陳腐でコンテンツの充実など代理店任せでは、すぐに飽きられてしまう可能性が大きい!」

☆検証2☆
東京都「 また現在の葛西臨海水族園は、施設及び設備の老朽化や、展示水槽のアクリル ガラスの劣化等が進んでおり、老朽化した配管、設備等を取り換えるには、建築物の内外壁及び水槽の解体等が必要です。」

チームお姐反論「設備の更新は、設計時に更新が可能なように設計してあり、外壁を解体しなくとも搬出入ルートは確保されています。それを東京都は知っているにも関わらず、解体等が必要と公表しているのです!
東京都が委託した劣化調査によれば、水槽まわりの躯体の劣化は補修可能であり、展示水槽のアクリルも強度的には問題がなく、さらに交換も可能。」
お姐総括「展示物の展示替えが可能なように設計されてはいるけど、それ以上に必要な水槽や研究施設などは、全てを新設するのではなく、大水槽を含め必要最小限の増築をすれば良い!」

☆検証3☆
東京都「バリアフリー等のアクセシビリティの改善には、建物を全面的に改造して、観覧動線等を見直すことが避けられません。」

チームお姐反論「バリアフリー対策の設計はすでに東京都が谷口建築設計研究所に委託して基本設計が完了し、その一部の実施設計が完了しています。それにもかかわらず、一部を除き工事の発注を行っていない状態💢」
お姐総括!「改造工事を理由に新設の計画を推し進めるのではなく、早急に工事を進めて現施設のアクセシビリティーの改善を行うべき!」

☆検証4☆
東京都「 さらに、利用者から要望の多い無料休憩所、レクチャールーム、レストラン等 の適切規模の確保、手狭な飼育作業スペースの改善等には、増築が必要となります。」

チームお姐反論「既存施設との関係で最も使いやすく機能的で環境と調和する無料休憩所、レクチャールーム、レストラン等を増築することは必要でしょうが、全てを新設する必要はありません。」
お姐総括!「既存施設を改修して併用することを検討すべき!」

☆検証5☆
東京都「 老朽化対策やアクセシビリティ改善等の大規模工事期間中、生き物を飼育する 受入施設の手配又は仮設施設の整備が必要ですが、受入施設の手配は非常に難しく、仮設施設の整備には多額の費用が発生します。また、長期にわたる全面休園 が避けられません。」

チームお姐「長期休園については、東京都美術館、東京都現代美術館も諸設備の改修と利便性の向上のため休館を経てリニューアルオープンをしています。既存施設を更新することは当然のことです。ただし、大水槽を含む増築を計画すれば、全面休園をすることなく、部分的な休館をしながら工事を進めることも可能です。」
お姐総括!「工事期間中の生き物を飼育する受け入れ施設は、東京近辺でも協力してくれる施設があります。東北地方太平洋沖地震の激震と津波によって大きな被害があった福島アクアマリン水族館が、その復旧工事の期間、複数の水族館からの協力を得た事実が証明しています!」

☆検証6☆
東京都「 しかし、水族園地内の広場等の土地を使い、既存施設とは別の建物を建築し水 族園機能を移すことができれば、生き物への影響や休園期間を最小限に抑えることができます。」

お姐総括!「上記検証5、と6の反論参照!」

☆検証6☆
東京都「 そこで、新たな水族園の実現に向けては、既存施設とは別に建築する建物に水族園機能を移すことを基本とした検討を進めていきます。」

チームお姐反論「根拠がないまま、新施設の計画に邁進することはやめ、既存施設の水族館としての機能を 維持し、長寿命化を図るべき。
あり方検討会の報告書・葛西臨海水族園の更新に向けた基本構想においては、設備改修の困難さとバリアーフリー改修の困難さの2つの理由により、既存施設が使い物にならないと結論付け、新施設を建設する方針を策定したにも関わらず、設備機器の更新が可能であることおよびバリアフリーの基本設計および一部実施設計が終了していることが情報公開により明らかになった途端、生き物の預かり先探しなどの困難さなど、別の理由を追加して新施設ありきの姿勢を貫こうとしています。」
お姐総括!「これについても検証5の反論通り!東京都はこれまでに一度も実際には既存改修が可能であること、設備の更新が可能であること、バリアーフリー対策も対応可能であり、費用と時間をかければ機能を維持できることを把握していながら、そのことを委員会の委員にも都民に明らかにせず、新施設への改築ありきで決定しようとしているのです。このような行為は都民への背信行為!」

東京都「 既存施設については、水族園機能を移設後、施設の状態等を調査の上、そのあり方について検討します」

お姐総括!「以上により、新施設ありきで計画を進める根拠は崩れています。即座に既存施設の改修と最低限の増築により、求められている無料休憩所、レクチャールーム、レストラン等の適切規模の確保、大水槽などの展示の追加などを含め、利便向上のための計画の検討を開始すべき、つまり東京都本来の環境政策にある持続可能な社会、SDGsの理念に基づいて、長寿命化を図るべきなのであります!」

【1月31日『葛西臨海水族園の長寿命化を考える 環境デザイン会議』に参加を!】
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昨年末の緊急シンポジウム「葛西臨海水族園の長寿命化を考える」に引き続き、葛西臨海水族園の今後に危機感をもった地域住民や建築関係者など幅広い繋がりにより『葛西臨海水族園の長寿命化を考える 環境デザイン会議』が開催されます!

今後の東京の風景、近代公共建築文化の維持、持続可能な社会実現のためのランドマークとなるのが「葛西臨海水族園・ガラスドーム」です。お誘い合わせのうえ是非御参集ください!

『葛西臨海水族園の長寿命化を考える 環境デザイン会議』
日時:2020年1月31日(金)  受付開始:18時 会議:18時30分~21時

会場:建築家会館1階ホール 東京都渋谷区神宮前2-3-16

主催:環境デザイン会議 代表 横河健
JIA環境会議

会費:500円
申込方法:氏名・所属・連絡先を下記「環境デザイン会議準備委員会 事務局」までお送りください。
環境デザイン会議準備委員会 事務局:kaigi.kaq@gmail.com

【お姐総括!】
またしても、シンポジウムが開催され、都議会や区議会はこれから議会の初場所第一回定例会と予算審査に突入していきます!
都有財産や葛西臨海水族園は都民のもの。なんとしてでも、納税者であり主権者である区民、都民の力で守っていく。それが、地域第一主義の公共建築事業のさきがけとなるように、チームお姐と地域住民・都民の力で動かしていくのでございます!

つづく!
☆お姐、!という方↓お近々江戸川区民に思いを届けるな?!楽しみにしているぞ!願いします!☆

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