緊急事態宣言に入り、酒類提供禁止と時短営業に苦しむ飲食店、旅行にもレジャーにも行けずGWを楽しめない若者たち、部活中止になり試合も涙をのんで諦めている子ども達を見ていて、ずっと胸につかえていたことを、一人の地方政治の末席にいる東京都議会議員として、明らかにしなければならないと心に決めました。
それは、「7月のオリパラ開催はひとまずあきらめましょう」というシンプルかつ誰も政治家が言い出せないことであります。
明日午前にこの点について緊急請願書を提出いたしますので、まずは都民・区民・国民の皆様にお示しさせて頂きます。
【小池知事オリパラ開催こそいったん立ち止まって下さい】
令和3年(2021)年4月30日
東京都知事 小池 百合子 殿
自由を守る会代表 上田 令子
「東京オリンピック・パラリンピック競技大会の7月開催見直しを求める緊急請願書」
貴職におかれましては、都政発展に向けてのご奮闘に衷心より敬意を表します。
憲法第16条および請願法第3条の規定に基づき以下、請願いたします。同法第5条に則り、誠実な処理の上、ご回答賜りますようお願い申し上げます。
●請願事項
(1)本年予定されている東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会につき、東京都、日本、世界のコロナ禍の現状に鑑み、7月23日から8月8日の開催については、東京都知事として都民・アスリートの健康を最優先し、ワクチン接種による集団免疫の獲得が達成されていない現状においては、外国からの人流を防止する観点で、開催は断念し延期または中止すること。
(2)上記により経済的打撃を受ける事業者においては可能な限りの支援を行うこと。
(3)中止・延期に伴う賠償・補償については、東京都・国・組織委員会・JOC・IOC・スポンサー企業等、ステークホルダーがともに対等に協議をする場を設けて、都民負担を極小化すること。(五輪パラADR)
(4)前項の諾否につき、緊急事態宣言の解除(終了)または延長の判断がされる前までに、理由を示して、請願者に文書で回答されるとともに、都議会または記者会見の場で都民に明らかにされること。(回答がないときには、拒否されたものとみなします。)
●請願理由
自由を守る会では、4年に一度の栄えあるオリンピックを国民のためアスリートのため東京都で開催することについては思いは同じくするものの、そもそも、真夏の東京での開催についてコロナ禍前から熱中症の問題など警鐘を鳴らしていました。
それはひとえに、都民・区民・市民の健康を守りたかったからであります。
本日現在陽性者が1月28日以来1,000人超となる1,027人が報告され、2週間後は1700名を超えるのではないかという想定も報道されています。現在の日本、東京都のワクチン接種実施状況は厚生労働省などのまとめによると、4月26日時点の累計接種回数は322万回を超えたものの、先進的なイスラエル、英国、米国等と比較すると数十分の一にも満たず、極めて低く推移しております。
通常開催でも、危惧していたものの、コロナ禍に見舞われ、抜本的なコロナ対策がこの1年打ち出せなかった小池都政の東京都にあり、全国民、世界中のアスリートの命、健康を守っての無事の開催はもはや誰が考えても非現実的であり、断腸の思いで断念すべきではないでしょうか。
これまでは、開催についての最終的な決定権はIOCにあり、開催都市として都が言い出せるのは「返上」しかありませんでした。「返上」の場合、開催都市契約の不履行責任は東京都に課せられますから、全て都民負担となり数兆円の賠償を負うことになれば、財政再建団体に転落することは必至で、政治家はこの点を危惧して言い出せないことも理解できなくもありません。
しかし、これまでのオリンピックと「ウイズコロナ」のオリンピックは変わるべきではないでしょうか。世界中を襲うコロナ禍にあり、IOCもオリンピックそのものも、これまでのあり方を再度考える潮目なのです。
日本国民、東京都民の健康の脅威にさらしてまで開催する、中止したら賠償金を支払えとは、言語道断でありますし、政府・IOC等と粘り強く交渉をし「ホストシティ東京都」として、そのありかた・ルールも見直す提言をすべく「いったん立ち止まる」べきではないでしょうか。
その勇気ある声を東京都が、率先してあげるべきであり、東京都知事にはその責任があるのではないでしょうか。
ただし、昨年第1回緊急事態宣言前の「ロックダウン」発言、本年突如の第2回緊急事態宣言政府要請のように、これまで度々散見されてきた、小池知事の東京都庁内はもとより、関係自治体や各機関との調整もない独断専行のパフォーマンス優先による都庁、都民、関係機関を混乱に陥れた事態を戒め同じ轍を踏まないことが前提条件です。オリパラ中止にあたっては、東京都・国・組織委員会・JOC・IOC・スポンサー企業等と丁寧に議論を進めて、発表の際は足並みをそろえて意思統一をされ合同で明らかにされることを強く求めるものです。
「中止」か「延期」か、「賠償金を払うか払わないか」の二者択一ではない、柔軟性があり商業主義ではなく万人にとって心から世界競技を楽しめるアスリート・都民、区民ファーストの「アフターコロナ・オリンピック」実現のため、自由を守る会は本年7月開催の見直しを強く求めるものです。
※赤字部分を加筆修正し、4月30日午前11時過ぎに知事室に提出しました
▲知事室にて担当課長へ緊急請願書を提出
【お姐総括!】
国立競技場設計とエンブレムデザインの変更、コロナ禍による異例の延長、女性蔑視発言による森喜朗氏の五輪・パラ組織委会長交代劇とトラブルばかりに見舞われてきた東京2020オリパラ。
今私達日本も日本人も、人類全体も何かを問われているのではいかと思えてなりません。
ワクチン接種もままならず、医療崩壊も危惧されている東京都において、医療従事者が五輪大会に駆り出されるということがなぜ起こりうるのか、まったくお姐は理解ができません。
今こそ、何を最優先にすべきだったか置き忘れてきたことを謙虚に取り戻すべきなのです。
それは、日々慎ましく暮らしている、無辜なる都民・区民人々の命、健康、暮らし、あらゆる経済活動を営む事業者の経済を守るということなのであります。経済活動の自由は、憲法でうたわれている「営業の自由」のみならず、その裏には営業する側よりもずっと人口の多いサイレントマジョリティである「消費生活の自由」があるのです。市場から財・サービスが供給されなければ、結果的に消費者は選択の自由を失ってしまいかねません。オリパラを実現したいのであればこそ、この観点にから、その前の、区民・都民、経済の健康ファーストの新型コロナウイルス対策に選択と集中をした都政を実現せねばならないのです。
オリパラの7月東京開催を断念する、人々のための「決断」によって誰も割を食ったりペナルティを負わない、新しい、国民・都民・地域住民とアスリートのためのオリンピックへと2021年の東京から変わったんだという「レガシー」を残そうではありませんか。
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