新型コロナ対策に関する知事の基本姿勢を発信〜群馬に関しては14日の解除の延長を政府に要望する。

2020年5月11日:パート3 21時過ぎ。高崎の自宅にいる。少し前に遅めの夕食を済ませた。食後のミルクティーをゆっくり味わいながら、本日3本目のブログを書く。 18時からの知事の臨時記者会見で、経済・社会活動再開に関する県独自の「基準案」(=ガイドラインの原案)を発表した。今後、政府の専門家会議の見解も踏まえて(?)作成・発表される国の基準の内容も踏まえ、(必要があれば)加筆、修正する。その上で、群馬の独自モデルを完成させる方針だ。 この会見で、ある記者が伊勢崎の有料老人ホームについて記した5月9日の知事のブログを取り上げた。質問の中身には触れない。が、この老人ホームの入居者の方々、この施設に勤務するスタッフの皆さんを批判する意図は微塵もない。ちゃんと読んでもらえれば分かるはずだ。これ以上は何も言わない。 さて、会見の冒頭、ガイドライン案の説明をする前に、新型コロナウイルス対策に関する知事の4つの基本姿勢(基本哲学)を、丁寧に解説した。全て自分自身の言葉だ。そのまま掲載する。 「ガイドライン(基準)の原案をご説明する前に、新型コロナウイルス感染症対策に関する知事の4つの基本姿勢(=4つの哲学)をお話ししたいと思います。 基本姿勢の第1です。この未曾有の危機を乗り越えていくためには、県民一人一人のご理解とご協力が不可欠だということです。 逆に言うと、県民が心を合わせて努力すれば、どんな難局も乗り越えていけるということです。そのためには、県民の皆さんと出来るだけ多くの正確な情報を共有することが極めて重要だと考えています。 緊急事態宣言が群馬県を含む全国に拡大される中、県知事として、大型連休前に、県民の皆様に対して、(法律に基づく)外出自粛や休業の要請を行わせていただきました。現在もその措置を継続しています。 この間、県民の皆様に、大変なご不便とご負担をおかけしていることを、本当に申し訳なく思っています。にもかかわらず、皆様には、知事の真意をご理解いただき、(苦しい中でも)ご協力をいただいていることに、改めて心から感謝申し上げます。  群馬県の現状について言うと、県内の一部、具体的には伊勢崎市内の有料老人ホームで、大規模なクラスター(集団感染)が発生したために、陽性者数や死亡者数は多くなっています。が、ここのところ、全体としては、落ち着いた状況が続いています。他県と比較して遜色のないレベルに抑えられていると言っていいと思 います。 これは、県民の皆さんのご協力があったからに他なりません。 知事として、重ねて、心からお礼を申し上げます。この場をお借りして、最もリスクの高い現場で献身的に頑張っていただいている医療従事者の方々にも、敬意と感謝の意を表させていただきま す。 基本姿勢の第2です。そうは言っても、政府による非常事態宣言解除を含む緩和の判断は「慎重になされるべきだ」というのが 私の考え方です。皆さんもご存知の通り、政府は、今週14日にも、専門家会議の判断を踏まえ、複数の都道府県を宣言対象地域から外す方針であると明言しています。もちろん、群馬県も対象外となる可能性があることは言うまでもありません。 しかしながら、群馬県が14日の時点で緊急事態宣言地域から外されてしまうことに、少なからぬ懸念を抱いています。なぜ、 知事として慎重な対応が必要だと感じているのか? その理由は 次の5つです。 1つ目の理由は、群馬県が(いろいろな意味で)東京都に近いことです。最も影響を受ける東京での感染が収束していない状況の中での解除は、県内での感染リクスを高めることに繋がります。 2つ目の理由は、新型コロナウイルスの正体が解明されていない部分があることです。例えば、新型コロナの感染力が当初の予想より強いことが分かったり、無症状の陽性者は他人にうつしにくいと思われていたのに、実は感染させやすいという研究データが公表されたりしています。免疫が形成されても長くは続かない説が浮上したり、太陽の紫外線に弱いらしいとか、次々に新しい事実が判明しつつあります。まだ症例は少ないものの、米国内の子どもたちが新たな症状で亡くなるケースが出ていることにも、注意が必要です。 『見えない敵』の正体が完全に分からない状況の中で、知事として最初に頭に浮かぶのは、県民を守るための知見を集めたいということです。もっと分かりやすく言うと、『こういう環境なら 大丈夫だ』『この対策を打っておけば感染の可能性は低い』というような経験則を積み上げたいということです。そのためのルー ルを整備したり、周知徹底したりする時間が欲しいという気持ちが日々、強まっています。 3つ目の理由は、今回の感染がいったん収束したとしても、第2波、第3波の感染が発生する可能性を頭に置いておかねばならないということです。米国では、かなり多くの州で、経続きをみる

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