ふるさと納税で減収 他自治体へ市税109億円が流出 名古屋市

名古屋市ではふるさと納税による市税の減収が年々拡大している。

■ ふるさと納税による市税減収額(名古屋市)
平成26年度 0.9億円
平成27年度 3.2億円
平成28年度 19.4億円
平成29年度 33.3億円
平成30年度 60.8億円
令和元年度 81.4億円
令和2年度 88.4億円
令和3年度 109.0億円

ふるさと納税とは、納税されている市民の皆様が、生まれ育ったふるさとや応援したい自治体に寄附することにより、寄附額のうち一定額が個人住民税等から控除される制度。しかし、返礼品と組み合わせることで、結果として節税効果が生まれることから、昨今は返礼品を目当てに他自治体に寄付をする住民が増え、制度本来の趣旨とかけ離れたものとなっている。

返礼品を目的とした寄附が市の税収に与える影響は小さくない。ふるさと寄附金(納税)に係る寄附金税額控除による名古屋市の市税減収額は毎年増えており、令和3年度は約109億円と、政令指定都市の中で2番目に大きい金額となっている。

さて、ふるさと納税によって名古屋市から他自治体に流出している市税109億円は、本来、私たち名古屋市民のために使われるはずだった貴重な財源だ。減収額109億円はそのまま住民サービスの低下に直結する。短期的には国に対する財政措置を求めるとともに、将来的には制度のゆがみを正す必要があるだろう。

■ ふるさと納税
自分の選んだ自治体に寄附(ふるさと納税)を行った場合に、寄附額のうち2,000円を越える部分について、所得税と住民税から原則として全額が控除される制度(一定の上限あり)。例えば、年収700万円の給与所得者の方で扶養家族が配偶者のみの場合、30,000円のふるさと納税を行うと、2,000円を超える部分である28,000円(30,000円-2,000円)が所得税と住民税から控除される。
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横井利明
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