常任委員会・特別委員会はどうやって決まるのか

議会は、市長から提案される予算、決算、条例制定や改廃、市が締結する契約等を審議するが、審議の場に多様な市民の意見を反映させ、審議の過程でさまざまな意見を出し合い、その可否について決定する権限を有している。事務事業も3,000にのぼり、議会で取り扱う予算や決算、条例案などは規模も内容も幅広い分野にわたっている。

一方で、議員は、それぞれの事業の執行状況(支出先や使途)、事業内容や目的、成果、資金の流れ、他の事業との類似性・関連性、市民ニーズや本市の財政状況などを理解したうえで、議案審査に臨んだり、事務の見直しなどを進めなければならない。そこで、事務事業を局単位にいくつかの部門に分けて、専門的、能率的に審査・調査するために常任委員会等の委員会を設けている。

委員会には、常に設置されている常任委員会、議会運営委員会と必要に応じて設置される特別委員会がある。名古屋市会では、すべての議員が必ず1つの常任委員会、1つの特別委員会に所属することになっている。

では、いつ誰がどうやって常任委員会、特別委員会を決めているのか。

自民党名古屋市会議員団では、団長の指示を受けた幹事長・副幹事長が、ゴールデンウイーク中に常任委員会、特別委員会等の貼り付けをするのが一般的だ。団全体のバランスやその時々の重要施策への配慮、他会派の動向等を勘案し常任委員会、特別委員会の配属を決める。また、委員会には委員長、副委員長等も各会派に割り振られていることから、まさにパズルを1枚ずつはめ込むように割り振る。場合によっては、最後のピースがはまらず、やむなくやり直しということも。

幹事長案を団長に示し了承を得たのちに、団長案として、5月9日におこなう自民党議員総会で、「常任委員会委員」「特別委員会委員」「名古屋市町名・町界審議会」「名古屋市市民火災共済生活協同組合」「名古屋港管理組合議会」「愛知県競馬組合議会」「名古屋競輪組合議員」「愛知県後期高齢者医療広域連合議会」「名古屋市監査委員」などそれぞれの割り振りを団員に示す。また、あわせて、名古屋市会議長候補についても提案がある見込みだ。

その後、5月臨時会において、「議長の指名」という形で、正式に議員の委員会への配属が決定する。

さて、ヨコイが初当選したころは、「2年連続して同一委員会に所属しない」など、特定の議員が特定の常任委員会に偏らないようにするといった議会としての暗黙の了解があった。例えば、「土木」「建築」関係の常任委員会に長く配属することで、特定の職員や特定の業界との癒着を生み、不適切な関係となることを避けるといった意味合いもあったと思っている。

しかし、河村市政がうまれた平成21年以降、執行機関を監視・評価し、執行機関の独走をチェックする機関として、以前にもまして専門的な知見が必要となったことから、「2年連続して同一委員会に所属しない」といった慣行はなくなり、特定の委員会に専門的に取り組む議員が増えた。これにより、議会のチェック機能・提案機能は飛躍的に高まった一方、議員の仕事の硬直化も一方で進んでいる。

例えば、市民税減税担当のヨコイは、10年間で7回、財政福祉委員会に所属。外部評価においても、効果がなかったとされた個人市民税の廃止に追い込んだ。また、財源の涵養といった新たな地方自治における分野の開拓にもつとめることができたと考えている。一方で、他の委員会で行われている議論に加わる機会は大幅に喪失した。

河村市政は、市政の停滞にとどまらず、さまざまな分野に影響を及ぼしている。
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横井利明
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