内田橋周辺の町内会である「豊郷町」「豊田本町」「南陽北」の三町内会では、長年にわたり、熱田神宮の一大行事である「熱田まつり」に合わせ、まきわら神輿を担ぎ住民の無病息災を祈願してきた。その伝統行事にさらなるにぎわいと交流をもたらそうと計画されたのが内田橋商店街が主催する「まきわら祭」。名古屋市、そして地元学区である明治学区連絡協議会が後援、南区や市内外からまきわら神輿を担ぐ祭り人が集まる名古屋の新たな夏の風物詩になりつつある。
内田橋商店街が「まきわら祭」を初めて企画したのがまだ昨年のことと。しかしたった1年で急成長。平日とは思えないほどの大盛況だった。なお来場者数は約10,000人(主催者発表)。
内田橋商店街が元気な理由として真っ先に挙げられるのは、30~40代の若者が商店街を引っ張っていること。毎週日曜日に商店街にあるみそかつ「安兵衛」に集まって、まちづくりを議論する。大須にも負けない商店街にするのが彼らの夢だ。
さて、神輿を盛り立てるため、商店街では道路空間を広場化。車中心から人中心の空間へと転換することで、人々が集い、憩い、多様な活動を繰り広げられる人を中心としたまちづくりへのデザインへと改変している。生まれた道路空間にキッチンカーや近隣焦点の出店、そして大道芸が展開される。露店は9店舗、キッチンカーは16店舗、イベントは7演目にも及ぶ。
もちろん、これらのイベントはすべて商店街のスタッフが企画・運営。プロの手を借りることなく、住民の息吹を日頃感じ取っている商店主だからこそ、住民のニーズや嗜好を的確にとらえ、実施できるイベントといっていいだろう。また、地域住民の支援も半端ない。明治学区連絡協議会や地元町内会、消防団などの団体もボランティアで応援する。
6月7日付の中日新聞朝刊には、「伝統守るぞわっせわっせ」との見出しで、内田橋商店街の「まきわら祭」が取り上げられた。内田橋商店街のスタッフもこの記事を見て感激。ここ数か月の苦労が報われたと感じたスタッフもいた。記者さんありがとう。
今後、内田橋商店街では地元学区連絡協議会、またまちづくり団体、近隣企業、名古屋市とも協力し、さらに魅力的で活気のあるまちを目指し、「まちづくり協議会」を立ち上げることを目指している。今後の展開が楽しみでもある。