一方、名古屋では、伊勢湾台風や東海豪雨以降、甚大な災害は発生していないものの、いつ南海トラフ地震が発生してもおかしくない状況とされており、万全の対応を求められています。南区ではこれら災害に対する対策を旧ピッチで進めておりますが、この流れを全市に広げ、災害で誰も命を落とすことがないよう徹底的に対応していく必要があります。
そして、2020年にはいよいよ東京オリンピック・パラリンピックが開催されます。また、2025年には大阪では55年ぶりとなる大阪万博が、2026年には愛知・名古屋でアジア競技大会が、さらに札幌でも2026年札幌オリンピックの招致を目指しています。2027年にはリニア中央新幹線の開業が見込まれ、世界が日本に注目するとともに、日本のものづくり技術の高さにあらためて感嘆するに違いありません。
こうした世界規模のイベントが日本各地で予定される中、名古屋がそして愛知がどんな街づくりを進めていくのかがまさに問われていると思います。そしてその中で、新たな産業を生み、また雇用を創出し、この名古屋からイノベーションを起こしていく必要に迫られています。
これら事業は自治体だけでできるものではなく、いかに民間資金を導入していくのかなど産学官の一体となった取り組みが求められています。その中でも、私が期待し、携わってきた事業のひとつに、愛知県が進め名古屋が協力する「Station Ai(ステーションアイ)」があります。引き続き、積極的に支え推進していきたいと思います。
■ Station Ai(ステーション・アイ)
産業経済の歴史的な転換期にあって、愛知・名古屋の経済の持続的な成長に向け、新たなビジネスを生み出し、この地域の強みであるモノづくりの優れた技術とスタートアップの新たなアイデアを融合させることで、イノベーションを次々と起こすことが重要です。それが更なるスタートアップを創出・誘引するインセンティブとなり、成長を拡大させる好循環(エコシステム)を根付かせることにつながります。
昭和区鶴舞地区に、コワーキングスペース、シェアオフィス、イベント・交流スペース、テック・ラボ(実験、試作品作製等)、宿泊・滞在施設、商業施設(カフェ・レストラン等)を兼ね備えた「スタートアップ支援拠点」を整備し、「コネクテッド」「自動運転」「シェアリング」「EV 化」「モビリティ」「サービス」「人工知能」「IoT/5G」「ビッグデータ」などの新たなビジネスを生み出し続けていきます。
Station Ai(ステーション・アイ)
・施設概要
・所在地 名古屋市昭和区鶴舞一丁目2番32号(愛知県勤労会館跡地)
・敷地面積 約7,300平方メートル
・延床面積 約30,000平方メートル以上
・完成年度 2021年頃
そして、令和2年度より、いよいよリニア開業を見据えた名古屋駅周辺の再整備が始まります。愛知県、名古屋市、JR東海、名鉄など関係者が多く、またそれぞれが課題を抱える中で、全体として機能するようしっかり調整をしていきたいと思います。
世界がめまぐるしく動き発展する中、愛知、名古屋が取り残されることがないよう、この1年間、精一杯仕事をしてまいりたいと思います。今年もよろしくお願いいたします。