今後の名古屋市のコロナ対策財源は?

名古屋市は新型コロナウイルス感染症対策として、財政調整基金100億円のうち92億円を、また、新型コロナウイルス対応地方創生臨時交付金33億9,000万円を使い切った。しかし、秋にも再び第二波が日本各地を襲うのではないかと指摘されており、果たして名古屋市に的確迅速にコロナウイルスに対応するための財源がどれだけ残されているのか、不安に感じている市民は多い。そこで、ヨコイは財政福祉委員会において、感染症対策を確実に進めるための財源確保について質問した。ヨコイも当局もアドリブだっただけに、結構踏み込んだ答弁も。そのやり取りを紹介する。

■ 時間がない方のためにヨコイと財政局の質疑を要約
・今後、新型コロナウイルス感染症対策を財源がないからできないといったことがないように、第二波が起こる前の今こそ、財源の確保をしておく必要がある。
・市の貯金である財政調整基金100億円は92億円、国からいただいた新型コロナウイルス対応地方創生臨時交付金33億9,000万も使い果たした。
・他の財源として、国の地方創生臨時交付金(68億円?)が交付される予定。
・また、前年度の決算剰余金も財源として見込まれる。(例年50億円程度)
・また、基金残高は別途2,630億円以上。しかし財政局としては目的を逸脱して取り崩すことは考えていない。(←この答弁は疑問だが...)
・4月から秋にかけて数多くのイベント等が中止となった。その事業費もコロナ対策として財源化する。
・令和2年度予算のうち、不要不急のものについても全庁的な見直しに向けた方針を出す。(←結構思い切った答弁)


■ 財政福祉委員会 所管事務調査「名古屋市財政局新型コロナウイルス感染症対策」質疑
令和2年6月5日 
〇 ヨコイ
今回この新型コロナウイルス対策を進めてく上で、やはり遅滞なく的確に対策を進めるためには、どうしても財源が必要になります。今回4月臨時会と5月臨時会でも、4月は132億円の一般会計、5 月が130億円の一般会計補正予算を組んでいます。こういった各局から出されてきた要望について、的確に財政局の方で応えられたのは、感謝を申し上げたいと思いますし、一方で、財源確保にも困窮されたというのか、ご苦労されたのではないかなと思っています。

ただ一方で、国の新型コロナウイルス対応地方創生臨時交付金が33億9,000万という衝撃的な、わずかなお金しかこなかった。また今度、国の方でも二次でまた、総額2兆円の地方創生交付金が出されますけれども、こちらも単純計算すると68億円ぐらいでとどまってしまうのかな。そんな懸念を持ってまして、どうやってこの財源を確保しっかりやりながら、まさに生活に困窮されている方々、そして経済対策、また、この新型コロナウイルス対応を巡る医療の確保、これをどうやって対応していくかというのは、財源が絡んでくるもんですから、ちょっとそんな観点でお伺いしたいと思います。

4月、5月と今回予算組まれましたけれども、全体を通して、この財源という意味でどんな評価をされているのかまずお尋ねしたいと思います。

〇 永田財政課長
この間ですね、コロナ対策を中心に 4 月補正或いは専決、そして 5 月臨時会での補正をお願いしておるところでございまして、年度の当初でもあるということでございまして、委員ご指摘の通りですね、限られた財源の中での予算編成となったところでございます。その中でもですね、使える財源といたしまして財政調整基金の取り崩し及び先ほどご指摘ございましたが、国の方のですね、地方創生臨時交付金、そのあたりを精査させていただいて編成をして参ったところでございます。

〇 ヨコイ
休業要請に対する協力金としては、愛知県の方の補助金もこれかなりたくさん積まれたということもありますから、国の地方創生臨時交付金と、名古屋市の財調と県の補助金というのが主な財源になったのかなというふうに思ってます。

ただ、財調については、名古屋市の財政規律で、100億円程度財源を確保しておこうということがこれ明文化されておりますけれども、100億円が、今回8億円になってしまった。このことについてはどのように評価されてますか。

〇 永田財政課長
財政調整基金につきましては従来ですね、財政規律の観点から、100億円を目指すということでやって参りました。ただしですね、こうした今般のこのようなウイルス感染症対策に関しましては、本当に緊急の事態で、早急に対応しなければならない、的確に対応していなければならないということでございまして、そのあたりは躊躇なくと申しますか、ある財源を活用させていただいたという結果で、現在8億円あまりの残高となっているところでございます。

〇 ヨコイ
まさに財政調整基金は、こういった大規模な災害等に備えてという意味合いもありますから、年度間の財政需要の平準化っていうのもありますけれども、そういったこともあるので、まさにこういったときのために積んでいたと考えるならば、100 億円が8億円になってもやむを得ないという判断ももちろんあるんですけれども、一方で、新型コロナウイルスのこの影響が、これで終わりなのかというと、まだまだ二次もあるかもしれない。三次もあるかもしれない。もっと広く言えば、南海トラフ地震もあるかもしれないと思ったときに、この8億円ではちょっと心もとないなというところは当然あると思うんですけれども、この辺りはどのように対応されていますか。

〇 永田財政課長
なかなかですね現状ですね、おっしゃっていただいたように財政調整基金残高8億円までという厳しい財政状況の中での、また厳しいご指摘でございます。この新型コロナ感染症対策につきまして、まず規定の当初予算等を活用いたしまして機動的・弾力的に対応して参りたいと思っておりますが、必要に応じ、補正予算や、専決による予算編成により対応して参ることとなるだろうと思っております。

現在のところですね、今後補正予算で必要となる財源につきましては、ご指摘ございました、まず5月 27日に国において閣議決定された補正予算第2号にございますように、地方創生臨時交付金、2兆円が拡充されております。前回の緊急経済対策の1兆円に対して、現在のところ本市に対しては、33億円あまりのですね、交付限度額が示されておりますので、拡充された2兆円に関しましても、現在ですね、算定方法が具体的に示されておるわけではございませんが、一定程度交付されることが考えられ、我々も引き続き情報収集に努めて参りたいと考えております。

その他といたしましては、現在残っております財政調整基金の残高のほか、前年度の決算剰余金が例年ですと、一定程度の額が見込まれますので、令和元年度の決算剰余金の額が確定されれば、前年度繰越金を活用することとなると考えております。また決算剰余金の額が確定後、2分の1を下らない額を財政調整基金に編入することとなりますので、財政調整基金もある程度は積み増しされるのではないかというふうに考えておるところでございます。

〇 ヨコイ
今決算剰余金の話も出ましたけれども、まさにこれが今最も今不安材料の一つになってますよね。令和元年度の、法人の状況というのは、もうこれで2月3月で結構ガタガタになってしまって、総会も開けないというところもあったほどですから、令和元年度の剰余金が当てになるといいながらも、なかなか正直厳しい状況もあるのかなというふうに思ってます。

また今、財源として剰余金の他にもっていうこともありましたけれども、他の財源としては、何がありますか。

〇 永田財政課長
ある程度ですね自由に使える財源といたしまして見込めるのは、今申し上げたものかなというふうに現時点では考えておるところでございます。

〇 ヨコイ
今提案提示があったのが、国の地方創生臨時交付金と、決算剰余金これ例年50 億円ぐらいだったっけな。例年50億円ぐらい。この二つ。他にあるものとして例えば、基金がありますよね。今基金残高どれだけありましたか。

〇 永田財政課長
はい。現在のところですね、22基金ございますけれども、あわせまして、2,630億円以上の残高となっております。

〇 ヨコイ
そうすると 2,630億円のすべてじゃないにしても、そのあたりも視野に入ってるということでよろしいでしょうか。

〇 永田財政課長
活用ということでございますけども、基金に関しましては特定目的基金というものでございますので、当然その目的を逸脱して取り崩すことは、条例改正という話もあればまた別でございますけども、そういったことは現在のところは考えておりません。当然基金を活用するといいましても、基金の設置目的に従って活用していくと、その範囲の中で我々としては、できるものについては当然、新たな財政需要に対して基金を活用することは当然考えておるところでございます。

〇 ヨコイ
基金といっても例えば子育て基金であれば、子育て家庭に困ったことなどで困った方々に応援するとか、教育基金であれば、学校へのコロナに対する対応をやるとか、いろんな柔軟なことを考えていけば、すべての基金、私は使える可能性があるだろうというふうに思いますから、ぜひ柔軟に対応していただければありがたいと思うと同時に、一方で、新たな財源確保っていう視点も必要ですよね。

基金のほかにもあると思う。例えば、令和 2 年度予算を作って編成したのが、編成され議決したのが、3月。その3月と今の状況は全く違う。こんな状況を想定して、2年度予算を誰も作ってないんですよ。我々議会としても、こんな状況を想定して、議決もしていない。状況が変わっている。

そうすると、2年度予算の中にだって不要不急の事業っていうものがもしかしたらあるんじゃないのか。そんなふうにも思いますけれども、それは財源にはならないんですか。

〇 武田財政部長
確かに当初予算で、計上したんですけれども、実際執行しない経費も当然出ております。そういったものに関しましても、減額をして、新たな財政需要に対応することは可能でございます。ただ、そういったものに関しましても、現在検討しておるとこでございまして、当然必要とあれば、我々としてもその財政需要を見ながら、今後どういったものが出てくるかという話もありますけれども、そういったものを優先順位をつけつつ、あらゆる財源を確保しながら、当然今、委員ご指摘の使わなくなったものについても財源化するということも当然視野に入れて、今後検討していくつもりでございます。

〇 ヨコイ
しっかり対応していくというお話で、安心はしたんですけれども、まずいろんなイベント系のものっていうのは、おそらくこれ不要になってくるものってたくさんありますよね。その他のところでももしかしたら削れるものもあるかもしれない。

ただ、じゃあ各局にそれ任しておいて、本当に各局で不要不急が出てくるかっていうと、なかなかそれも難しいですよ。なぜなら、この2年度予算っていうのは、議会の議決っていう重い決定を経て作ったものであって、それを勝手に各局の方で勝手に削れとかこれやめろとか、中止するとかっていう判断は、なかなかやりにくいですよ。

だからぜひですね、不要不急の事業見直しにあたっては、一定の方針を財政局の方で示して、コロナを乗り切るという観点から、ぜひそういった点にも努めて欲しいんだけれども、そういったルールづくりとかいうことについては検討されてませんか。

〇 武田財政部長
確かに不要なもの、不急なものについて我々としても、事務的にどういったものがあるかというお話につきましては、いろいろと調整をさせていただいておるところでございます。今、委員ご指摘もありました通り、財政のほうで一定の考え方を示すというようなお話もありましたので、関係局、またコロナウイルスの全庁的な検討体制も報告されておりますので、そういったところもよくよく調整しながらですね、我々としても一定の方針が、出していくように検討したいと思いますので、よろしくお願いいたします。

〇 ヨコイ
いずれにしても、このコロナ禍をいかに乗り切っていくのかというのが、当局にも我々議会にも与えられた使命だと思っています。コロナで生活に困窮された方々、また非常に厳しい経営状況の方々、そしてまた医療体制、こういったものにはかなりの財源を要する可能性がありますから、ぜひ今のやり取りの中でもし参考になるものがあれば、是非財源確保に努めていただいて、しっかりと対応できる、何かしたいと思っても金がないからできないということがないように、是非取り組んでいただければありがたいと思います。 
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横井利明
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