名鉄の名古屋本線、JR東海の中央本線と東海道本線、名古屋市営地下鉄の名城線および名港線の合計3社局5路線が乗り入れている名古屋駅に次ぐターミナル駅として機能する金山総合駅。「名古屋市統計年鑑」によると、JR・名鉄・地下鉄を含めた金山総合駅全体の乗降客数は、2013年現在1日平均430,298人。これは、1日平均乗降客数「世界第39位(哲学news)」にランキングされている。
しかし、金山総合駅は交通結節点、いわば乗換駅としての機能にとどまり、駅周辺には雑居ビルが密集するものの、再開発等大規模な街づくりが大きく遅れている。また、市営バスや民間会社のバス停も分散しており、市民から「わかりづらい」との声も寄せられている。さらに、駅北口、南口の空地も少なく、人々が交流するスペースも限られ、総合駅の無限のポテンシャルが活かされていないのが現状だ。この問題を取り上げたのは斉藤たかお議員(中村区:自民)。
斉藤たかお議員は交通結節点としての機能を有する金山総合駅に、「バスタ金山構想」をぶちあげた。「バスタ」とは、総合駅に直結したバスターミナル・タクシー乗降機能を有する施設のことで、平成28年に新宿駅南口に国内第1号がオープン。第2号を金山に誘致しようというもの。
「バスタ金山構想」によると、金山駅に直結するJRや名鉄などの線路の上部空間、金山総合駅-伏見通区間全体に人工地盤を建設。バス停やタクシー乗り場、観光案内所等を1か所に集約したターミナルを建設する。従来は有効利用されていなかった鉄道の上部空間がターミナルとして生まれ変わるとともに、にぎわい創出の場となる構想だ。
光安達也住宅都市局長は「実現には鉄道事業者などの理解が必要」としつつも、金山地区の拠点性を向上させるため、整備を検討する考えを示した。国土交通省もバスタを全国に展開する考えとのことであり、金山総合駅の機能が大きく前進する可能性が出てきた。
さらに、「リニア新幹線の開業後」を見据え、名古屋駅に集中する観光バスや長距離路線バスなどへの乗り換えを分散させて、姪駅周辺の渋滞を緩和しようという狙いもあることから、金山総合駅が名古屋駅にとって代わり、新宿のような長距離バスの拠点となる構想もある。
今後は、事業主体である国土交通省、鉄道事業者とも連絡調整を行い整備を急ぎたい考え。