笠寺一理塚

慶長9年(1604年)徳川幕府が主要街道を整備したとき、一里(約4km)ごとに塚を築き、その上に木を植えて道しるべとした「一里塚」。一里塚にはエノキの木などが用いられ、旅人に距離を示しただけでなく、荷物その他の運賃計算の基準にもなった。名古屋市内にはかつて9か所の一里塚があったが、その後、造成や区画整理事業、道路拡張などで相次いで撤去され、現在では市内に「笠寺一里塚」のみが現存している。

笠寺一里塚は江戸から88里のところにあり、一対の塚がつくられていたが、対のムクノキは残念ながら大正時代に撤去されている。笠寺一里塚は、高さ8m、幹周3. 05mの規模。

IMG_7304■ 笠寺一里塚「エノキ保全プロジェクト」
笠寺一里塚のエノキは、伊勢湾台風で幹が割れ、内部が腐食により空洞となっていたものを、名古屋市が平成4年度に治療を行い樹勢の回復を図ってきた。しかし、前回の治療から四半世紀以上が経過し、樹木の生長と共に当時の治療部分も傷みが進んできている。そこで、このたび市の所有となったことをきっかけに、幅広くエノキの治療のための費用のご協賛を募り、過去から現在そして未来へと市民の皆様の想いをつなぎ、大切なエノキを守り育てていくため、名古屋市は、一里塚のエノキの治療・保全を目的とした「笠寺一里塚 エノキ保全プロジェクト」をおこない、市民から寄付を集めている。

←長楽寺に植えられているエノキの2世

・治療時期
令和3年2月頃
・必要な治療費
200万円
・募集期間
令和2年7月6日~12月25日
・寄付方法
①納付書による方法
②クレジットカード等による方法
③募金箱「名古屋市南区役所・南土木事務所」

80cbe14aさて、平成13年、笠寺一里塚の根元に生えていた「実生の苗木」をヨコイの要請で南土木事務所が採取。その後、宇津野真平さんが大切に育てた苗木を平成23年、長楽寺の境内に植え、久喜住職が大切に育てていた。(←8年前の南ホームニュース記事)

しかし、一里塚のエノキもすでに植えられてから400年以上が経過。エノキの寿命は400年ともいわれており、いつ倒木してもおかしくない状況となっている。万が一の場合には、呼続公園、長楽寺で育てられている、一里塚の子どもで同じDNAを有する「実生の苗木」を一里塚に植える計画だが、市が「エノキ保全プロジェクト」を行っていることを知った長楽寺住職の久喜さんは、エノキの保全のため寄付をおこなうことを決意。8月5日(水)午後4時から名古屋市長宛てに寄付を行う予定となっている。

名古屋市の大切な文化遺産である笠寺一里塚のエノキ。寄附申し込みは以下までお願いいたします。

■ 笠寺一里塚 エノキ保全プロジェクト! (←click)
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横井利明
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