交流センター道徳センターまつりが開催された11月14日(日)、センター3階で「道徳200年の歴史展」が開催され、多数の方々が詰めかけた。
尾張徳川家の政策であった「道義をもって徳を施す」が地名の由来と伝えられる「道徳」は、1817年から鷲尾善吉さんが遠浅の海を干拓し、1821年に新しく誕生した土地。今年で満200周年となる。
大正14年には徳川家より名古屋桟橋倉庫株式会社(福沢桃介設立)に土地が払い下げられ、区画整理するとともに文化娯楽施設を誘致した。昭和2年には「マキノ撮影所」がつくられ「実録忠臣蔵」の撮影が行なわれた。「道徳」の街の中には、昭和初期にもかかわらず、乗馬倶楽部、遊園地、テニス場、温泉施設「泉楽園」、遊郭街、カフェ、玉突き(ビリヤード)場、洋食堂、観音山、スケートリンク、プール、近くには名古屋教育水族館(竜宮城)、南陽館などが建設され、当時は名古屋有数の一大繁華街だったそうだ。私の祖父横井喜多郎も昭和の初め、熱田区の白鳥から道徳に移り住み、料亭「静月苑」を開業している。先月、登録有形文化財に登録されたくじら像も昭和2年に築造されている。
「道徳200年の歴史展」では、明治時代に作られた道徳前新田の地図(実物)や観音山・名古屋教育水族館・山崎駅などの模型、「実録忠臣蔵」の貴重映像、昭和初期の道徳の風景を撮影した写真、伊勢湾台風で壊滅的な被害を受けた道徳の街並みなどが並べられた。地域に住む皆様のほか、道徳にゆかりのある方々が訪れ、当時の道徳の風景等を楽しんでいた。
「道徳200年の歴史展」は11月14日に終わってしまったが、これら歴史遺産を後世に残すため、「道徳資料館」を建設したいとの声も多く聞かれた。費用等課題は多いものの、地域に対する愛着や誇りを多くの方々に感じていただくひとつのツールとしてしっかり検討したい。
なお、道徳200年記念誌は道徳200年記念事業協賛金として1,000円以上おさめていただいた方にお譲りしている。お問い合わせは加納さん052-694-0355、または横井利明事務所までお願いいたします。