主要7カ国首脳会議(G7サミット)とは、日本、米国、英国、フランス、ドイツ、イタリア、カナダが参加し、各国の持ち回りで原則として毎年開催する首脳会合。欧州連合(EU)も参加する。
日本で2023年に開催されるG7サミットは、2016年に三重県で開催された伊勢志摩サミット以来となる。
■ 日本で開催されたサミット
第5回(1979年) 東京都
第12回(1986年) 東京都
第19回(1993年) 東京都
第26回(2000年) 沖縄県名護市
第34回(2008年) 北海道洞爺湖町
第42回(2016年) 三重県志摩市
第49回(2023年) 未定
さて、2019年6月28日に日本で初めて開催された「G20大阪サミット」では、愛知・名古屋もG20の誘致に手を挙げていた。しかし「宿泊施設の数などを総合的に勘案して大阪に決定した。」と当時の菅官房長官が説明したとおり、愛知・名古屋はG20を開催するには、ラグジュアリーホテルが不足していたため、愛知・名古屋の誘致失敗につながった苦い経緯がある。磯崎仁彦官房副長官も11月11日の記者会見で、2023年に日本で開催予定のG7サミットに関し、「開催地の選定は宿泊施設、会議場、交通アクセス、警備など、あらゆる観点から総合的に検討を行った上で判断する」と述べており、やはり宿泊施設は大きなウエイトを占めている。
ヨコイは2019年6月、ラグジュアリーホテル誘致補助金の創設の提案とともに、愛知県と名古屋市の調整を行い、市内にラグジュアリーホテルを建設するディベロッパーにそれぞれ10億円ずつ補助金をだすことを実現している。現在、補助金の創設により名古屋市内に3か所のラグジュアリーホテルの誘致が決定しており、今後、本市への国際会議誘致の後押しとなる見込みだ。
しかし、G7やG20等の国際会議に必要なラグジュアリーホテルの建設は、残念ながら2023年には間に合わない。「宿泊施設の数などを総合的に勘案」という条件は、2023年には名古屋市においてクリアされておらず、誘致の実現には否定的な見方が強い。ましてや伊勢志摩サミットの誘致成功の立役者であった鈴木英敬前三重県知事は、当時の安倍晋三総理に極めて近い存在であり、知事の政治手腕で誘致実現に結びつけたことは周知の事実。一方、河村たかし名古屋市長は政権から最も遠い存在の首長であり、誘致に向けた障壁は相当高いものがある。ましてや2016年に中部地区でG7をおこなった経緯もあり、前回に続き再び中部地区での開催の可能性はほぼゼロ。したがって、名古屋市の真意はG7の誘致というよりも関係閣僚会合の誘致にあると考えるのが自然だ。
今回の開催地には名古屋市のほか、福岡県・福岡市も誘致を表明しているだけでなく、世界平和の象徴的な存在とされる広島県・広島市なども今後誘致に名乗りを上げる可能性も否定できない。2023年G7サミットの開催地は、来年ドイツで開催されるG7サミット前後に決まる見通しだ。