自転車は地球に優しく、健康的で燃料いらず、その利便性や魅力が広く浸透し、特に「自転車先進国」とも称されるヨーロッパの国々で積極的に活用されている。随所にある自転車専用道では車に対し自転車に優先権があるなど、国を挙げての取り組みが行われている。これらの専用道では2台並んで走る「並走」も可能だ。
しかし、昨今わが国では、ヨーロッパとは逆に子どもたちが自転車を思いきり乗る機会や場所が減っているといわれている。「自転車保険の義務化」「ヘルメットの着用努力義務」「自転車事故補償額の高額化」「歩道は走ってはダメ」「並走はダメ」。さまざまな制約から、「自転車には乗っちゃダメ」といった家庭も少なくない。
そのような中、もっと子どもたちに安全に自転車を楽しんでもらえる社会をつくろうと自転車教室をボランティアで開校する動きが広がっている。「危ないからスピードを出しちゃダメ」「そっちに行ったら危ないからダメ」など、ダメダメづくしの社会では、けっして自転車の乗車技術は上がらない。安全な場所を提供して、さまざまなカリキュラムを経験させることで、まっすぐ走ったり、しっかり止まったりという基本操作を含めた技術が向上する。
その一つ、自転車の普及に取り組むデイジーメッセンジャーが名古屋市緑政土木局、名古屋市議会を訪れ、自転車教室開催に向けた協力要請に訪れた。名古屋市との共催により、都心部の公園を活用し、関係者関係団体と協力して自転車の基本的・基礎的な技術を身に着けさせるというもの。また、楽しく参加してもらうために、風変わりな自転車の体験会や自転車にまつわるイベント、食の提供等もおこない、1日楽しく自転車に触れあってもらおうというもの。関係者は来年度には開催したいとしている。