安全か学びか

「安全という価値感を優先するあまり、子どもたちの学びの機会がなおざりになっている。」こんなご指摘を市民の皆さまや教育現場からいただくことが増えてきた。

「安全」か「学び」か。
二者択一なら、誰もが「安全」を選択する。

保護者の中にも、「全国一斉休校を決めた時点よりも感染者数は増えて事態が緊迫しているときに、再開するなんてとんでもない。」「子どもたちの生命や健康に何かあったらどうするんだ。」といった声も未だ多いし、そういった心配にももちろん共感するものがある。

しかし、新型コロナウイルス感染症の姿がおぼろげながら見えてきた今、「安全」も「学び」もというその両立に向けた議論を開始すべき時が来ている。

現在、全国の小中学校の多くはそれぞれの自治体の判断により休校を続けている。名古屋市においても、入学式、始業式は行ったものの、ただちに休校にはいり、現時点では5月末までの休校が決まっている。学校からはプリント等は配布されてはいるが、働いている保護者も多く、なかなか子どもに目が届いていないのが現実だ。唯一の保護者の頼みの綱であった学習塾にも休校要請が出され、子どもたちが教育を受ける権利は制限されたままとなっている。

新型コロナウイルス感染症専門家会議状況分析・提言案には、「学校の取り扱い」について、「児童生徒の学習の機会を保障していくことも重要であること及びこの感染症については持続的な対策が必要であることを踏まえると、学校における感染症及びその拡大のリスクをできる限り低減した上で、学校の活動を再開のあり方について検討していくことが必要」「学校の活動における指導や、登下校等の様々な場面において、感染リスクが高い活動や場面を整理しそれに対する対応について早急に示す必要がある。」とまとめている。

つまり、「子どもの学びの機会をできる限り早く再開できるよう検討することとあわせて、再開の検討にあたっては、感染リスクができる限り低減できるよう課題整理すること」とされており、本市においても、感染症の専門家など有識者のご意見をいただきながら、小中学校の休校が終わる6月1日の再開に向けて、いよいよ検討を進めるべきだろう。
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横井利明
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