退職金や通勤手当への課税見直し、扶養控除の見直しなど「サラリーマン増税」が話題となっています。
私はかねてから、物価高対策・少子化対策のためには、増税ではなくむしろ減税が必要だと主張してきましたが、決まって「日本はまだまだ税金が安い」という反論が寄せられてきました。今回は「国民負担率」という統計から、本当に私たちの負担が低いのかを考えてみます。
◆「五公五民」の衝撃
国民が負う金銭的な負担は税金だけではありません。近年、医療保険や年金など社会保険料の負担が急増してきました。われわれがどれだけ「取られている」かは、国民全体の所得に占める税金と社会保障費の負担の割合を計算する必要があり、これを「国民負担率」と言います。
国民負担率は、20年前の2003年度には34.1%でしたが、10年前の2013年度には40.1%とはじめて40%を突破、2021年度には過去最高の48.1%を記録し、近々50%を超えるのは確実とも言われています。この20~30年間、年々使えるお金が減ってきたという実感と合致しているのではないでしょうか。
「五公五民」とは江戸時代、公に年貢を5割納め、民の手元には5割しか残らなかったことを指す言葉ですが、今、まさにその状況に近づきつつあります。
年貢米率が四公六民から五公五民に引き上げられた際には一揆が頻発しました。もはや江戸時代なら一揆が起きても不思議ではないレベルです。
◆高福祉国と同じレベル
他国とも比較してみます。2020年のデータですが、アメリカの国民負担率は32.3%、イギリスは46.0%、高福祉国家の代表とも言われるスウェーデンは54.5%です。
日本の今年度の国民負担率は46.8%の見通しなので、アメリカやイギリスを抜き、スウェーデンに迫る勢いです。つまり日本の税金及び社会保障負担は決して低くないのです。
例えばよく耳にする「日本は消費税率がヨーロッパに比べて低いので、まだまだ引き上げの余地がある」という主張は、全くのまやかしに過ぎません。
また、スウェーデンでは負担率が高い代わりに、大学まで学費が無料、医療費は18歳まで無料で成人も極めて安価と、払った分のリターンが明快で、国民もそれで納得しています。
一方で日本では、払っても払っても、自助と自己責任の名の下に政策が推し進められ、とても手厚い福祉を受けている実感はないというのが現状ではないでしょうか。
誰にわたっているのかよく分からない補助金や、手数料ばかりが膨らむ給付金などに予算が費やされ、既得権を持った集団がそれに群がる構図を続けていては、いくら負担率が高くなってもキリがありません。
◆中間層狙い撃ちは限界
国民負担率の内訳の推移を見ると、どこから搾り取っているのかは明らかです。ここ30年で、社会保障負担率と消費課税がほぼ右肩上がりで上昇しているのに対して、法人所得課税は昔に比べて減少、資産課税等はほぼ横ばいが続いています。
つまり、サラリーマンを始めとする中間層に多くの負担を求める一方で、富裕層や富裕企業の負担は抑えられてきたことが明らかです。そして、今回の政府税制調査会が示した答申も、この傾向を引き継ぐものです。
中間層の負担ばかりが高まると、富裕層との差は広がる一方で、格差も拡大してしまいます。もちろん、国内消費は落ち込み、経済は悪化します。この30年の失敗を繰り返そうとしている岸田政権の方向性を変えさせること、それが最大の経済対策なのです。
スタッフ日記「Z世代のSNSとの向き合い方」
私はルッキズムの被害を受けることが高校生の頃から多かったように思います。
ルッキズムとは「looks=外見」と「ism=主義」を組み合わせた言葉で、外見のみで人をジャッジしたり、見た目を理由に差別的な扱いをしたりすることを意味します。
きっかけは、SNS。
中学生で始めた当初は、とにかく自分の好きなものや好きなこと、それから友達との写真を載せていましたが、高校生になり、オシャレな写真にたくさんの「いいね」がつく、いわゆる「インスタ映え」が流行り始めると私の楽しみ方も変わりました。
元々一眼レフを常に持ち歩くほど写真が好きで、賞を取るなど、腕前にもちょっと自信がありました。
撮った写真をSNSに載せると、ぐんぐんフォロワーが増え、2年間で自分の学校だけではなく他校も含めて2000人を超えるまでになりました。街を歩いていて声をかけられたり、他校の文化祭で写真を撮って欲しいとお願いされたりして、だんだんと承認欲求が満たされる、そんな嬉しさを感じるようになりました。
しかし、反対に写真だけで私を判断する人も増え始め、「毎日遊んでそう」「バカそう」など、本当の私のことを知らない人から心ない言葉を投げつけられるようになりました。
それから大体5年たった今、私はSNSをやめる決断をしました。ネットだけで人をジャッジする権利は誰にもないし、見た目だけで人を判断することはできません。
これからの時代、もっとSNSが当たり前の世界になると思いますが、自分のメンタルヘルスケアをしながら楽しむことができるものになれば良いなと思います。(ストップ!!ひばりくん!)
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