我孫子市選出・千葉県議会議員の水野ゆうきです。
本日は本会議(一般質問)、総務防災常任委員会委員会(「審査請求に関する諮問」)、本会議、代表者会議と長丁場です。
そして、ブログでの会派『千葉新政策議員団』代表質問シリーズまだまだ続きます。
今日は熊谷知事の政策方針として取り上げた『人口減少問題』についてお伝えしていきます。
【質問の背景】
社人研が公表した地域別将来推計人口によると2020年に 628 万 4 千人であった千葉県の人口は2035 年には約 20 万人減少し 607 万 6 千人へ、2050 年には 569 万人へと、 30 年間で 9 割程度まで減少する見込みとなっており、すでに2021年時点で、社会増による人口増加を自然減による人口減少が上回る総人口減少時代に突入しています。
こうした背景をもとに、県では新たな総合計画の素案における基本構想の6つのチャレンジの中に人口減少社会を盛り込むこととしています。
※6月20日(金)まで県民の皆様からパブリックコメントを募集しておりますので、ご意見をどんどんお寄せください。
水野質問:人口減少対策について、新たな総合計画では、どのように取り組むこととしているのか。
熊谷知事答弁:具体的には、若者の仲間づくりの促進やライフイベントに応じた支援、子ども を生み育てやすい環境づくりを進めるとともに、各地域の特性や強みを生かした産業の振興や移住・定住の促進、さらにはDXによる生産性の向上などに幅広く取り組むこととしている。
さらに、本計画の実施期間となる4年間は成田空港の拡張事業や圏央道の県内区間全線開通が予定されるなど、 本県のポテンシャルがより一層高まる時期であることから、これらを県内全域 の活性化につなげ、本県に向かう「人・ モノ・財」の流れをより一層大きくすることにより、人口減少下にあっても、将来にわたり活力ある県づくりを目指していく。
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2023 年の本県の出生数は 35,658 人、合計特殊出生率は 1.14 で、共に過去最少・最低となっており、長きにわたり少子化の傾向が続いていることを背景に、新しい総合計画の素案の中に、若者の出会い、結婚、妊娠・出産、子育てに関する希望をかなえることができるよう、各ライフイベントに応じた支援を行なっていくことが明記されています。
一方で【多様性を活力とする】とも明記されています。
県の総合計画の人口減少対策の中に、若者の出会い、結婚、妊娠、出産の文字が羅列されていると、女性はこの生き方を推奨されているかのような印象を受けかねないことを危惧しています。
千葉県では多様性尊重条例を制定しており、時代の流れとともに価値観が多様化し、女性が働くことも当たり前の社会となりました。年齢、性別、障害の有無、国籍、性自認など、多様性が尊重・認められるのはグローバルスタンダードです。
さらに結婚をめぐる常識は変化しており、事実婚、ステップファミリー、同性パートナーシップ、選択的シングルなど、様々な形があり、その人がどのような生き方を選ぼうと個人の自由であり、選んだ生き方は尊重されるべきです。
また出産を希望していても疾病等により妊娠が困難な女性もおります。
ちなみに内閣府が2021年に公表した「少子化社会に関する国際意識調査」では「自分の国が子どもを産み育てやすい国だと思うか」の問いに対し、「とてもそう思う」「どちらかといえばそう思う」と回答した割合はスウェーデン97.1%、フランス82%、日本は対象国最低の38.3%にとどまっており、少子化や人口減少の根本的な問題は出会いがないからだけではなく、社会制度も大きく影響していると考えられます。
出生率は男女平等社会に移行する初期段階では低下し、成熟するにつれて上昇するということを専門家は指摘しています。
日本は今、まさに過渡期にあるわけです。
人口減少問題の項目については、これまで読んだ書籍も読み返し、さらに関連書籍を複数読み込みました。その中でも特に興味深い分析をしていたのがこちらの2冊。
●『結婚の社会学』 (ちくま新書)阪井裕一郎(著)
●『永続孤独社会 分断か、つながりか?』 (朝日新書)
三浦 展 (著)
歴史的背景をもとに結婚の変遷について書かれており、これまでの『普通の結婚』はもはや当たり前ではなく、結婚の形は実にさまざまになっているという事実があります。
永続孤独社会ではスマホの普及などからリアルとの乖離やリアルへの回帰など、テクノロジーの進展とともに人とのつながりや分断などの変化が分析されており、リアルの出会い・仲間づくりが難しい世の中になっているのかもしれません。
色々な価値観が生まれてくる中で、県民が選んだ、もしくは選ばざるを得なかった生き方で一人一人が活躍して充実した人生を送ることができるよう後押しする未来の流れを見すえた総合計画であってほしいと思います。
会派『千葉新政策議員団』代表質問⑥人口減少問題への対策:問題は何か?
