2025年6月14日 午前11時過ぎ。本日2本目のブログは、温泉文化関連シリーズの続編(その⑤)だ。 ここ数年間、群馬県知事として全力を注いで来た「日本独自の温泉文化をユネスコ無形文化遺産に登録する」という運動の中で、「文化的価値以外のメリットを強調するのはマイナス」という論法に加え、常に心に引っ掛かっていたもう1つの疑問がある!! それは、「前から登録に向けて準備している候補がいるのだから、途中で割り込むようなことは許されない!」「文化遺産の登録は、申請の準備が整った素材から順番にやることになっている!」みたいな論法だ!! 正直言って、この考え方には、最初から強い違和感があった。そう感じる理由を簡潔に述べていきたい!! 先ず確認しておきたいのは、ユネスコ無形文化遺産登録を目指す理由は何のかということだ。 登録の目的は、文化の保護・継承だけではない。そこには、国際的な認知とブランド価値の向上、観光、輸出、商業化といった経済効果への期待、国家のアイデンティティーをアピールすることによる国際的影響力の向上という狙いもある!! 加えて言うと、かつては「文化を守る」ことが主眼だったが、現在は「文化を社会の中で活かす」ことが重視されている。この傾向は、国際的に「文化の持続可能な活用(safeguarding with sustainable development)」と表現されている!! そう、文化に関する世界の潮流は、「保護」から「活用」に移っているのだ!! もう少し具体的に言うと、文化を観光・教育・地域振興に活かすということ。民俗芸能や工芸の再評価を勝ち取ることで、地域経済の起爆剤みたいな例が分かりやす続きをみる『著作権保護のため、記事の一部のみ表示されております。』
温泉文化のユネスコ無形文化遺産最短登録を実現すべき理由:⑤〜ずっと抱えて来た2つの疑問(その2)
