東京、大阪といった大都市で、新型コロナウイルス感染者の数が増加するに従って、都市封鎖(ロックダウン)の可能性が指摘されています。私も、そもそも日本でどのようなロックダウンが可能なのかについて多くの質問を受けています。そこで、現在の法律でどのような対応が可能なのかをまとめてみます。
◆外出禁止強制はできない
まず、今現在欧米で広く出されている、罰則を伴った国民の外出禁止令については、日本では直接の根拠となる法令がなく、発令することは不可能です。コロナ特措法では、外出の自粛を要請できるとされていますが、これはあくまで「お願い」に過ぎません。仮に自粛せずに外出したとしても、それをもって何らかの罰を受けることはありません。また、全ての店舗の一斉閉店命令もその根拠がありません。コロナ特措法は、多数の人が利用する施設の使用を停止するよう指示することが可能ですが、対象は限られており、罰則もありません。
◆交通遮断で対応か
このように、日本の法律では、欧米のようなロックダウンは不可能のように見えますが、仮に緊急事態宣言が出された場合、政府としては、交通の制限と遮断によって、事実上の封鎖を実現する可能性を探っていると考えられます。感染症法の規定では、「都道府県知事は、一類感染症のまん延を防止するため緊急の必要があると認める場合…当該感染症の患者がいる場所その他当該感染症の病原体に汚染され、又は汚染された疑いがある場所の交通を制限し、又は遮断することができる」とされています。これに従わない者には罰金が課されます。
東京のような大都市では、公共交通や幹線道路が遮断されれば、通勤や通学はほぼ不可能で、人の流れが大幅に制約されます。そこで、知事が交通遮断と同時に、外出自粛の強い要請を出すことにより、事実上、諸外国のロックダウンに近い状態にすることが考えられるのです。
事実、3月27日には、新型コロナウイルスを交通遮断の規定の対象とする法令改正が行われ、コロナまん延の防止を理由に交通を遮断することが可能になりました。ただし、交通遮断の効力は72時間に制約され、繰り返しの発令はできないと解されているので、今後、長期にわたる遮断を可能にする何らかの法改正も考えられます。
◆対応遅れは許されない
では、緊急事態宣言は出るのでしょうか?コロナ特措法は、「国民の生命や健康に重大な被害」を与える感染症が発生し、「全国的かつ急速なまん延で国民生活と経済に甚大な影響」を及ぼす恐れのある場合、緊急事態宣言をすると規定しています。1日の感染者数が200人を超し、全国ほぼ全ての都道府県で感染が認められること、感染経路がたどれない患者が増加していることを考慮しても、ここで期限を区切って人が密集する状態を止めなければ、全国的に爆発的にまん延する恐れは非常に高いと言えます。そうなった場合、国民生活への悪影響は計り知れません。
緊急事態宣言とそれに伴うロックダウンは、対コロナの現実的な手段であり、対応の遅れは許されません。人が密集する大都市に限定してロックダウンを断行することもやむを得ないでしょう。政治の決断は目前に迫っていると思います。
スタッフ日記 「心-思いやり」
猛威を振るう新型コロナによって、変化した日常。連日ニュースで各国の感染者情報を見ていると、本当に大変なことが起きていると実感します。
外出自粛要請があった東京では、一時的にスーパーやコンビニの棚からカップ麺やレトルト食品が品切れ状態になっていました。必要以上に買いたくなる、そんな衝動に駆られてしまう気持ちもわかりますが、皆が同じくそのような行動を取れば本当に必要とする方に行き届きません。
うつるよりうつさない為に必要なマスクは、自分達でできる最も有効な感染予防対策のひとつです。今、国内のあらゆる企業が急ピッチでマスクの生産を始めていますが、いつ買えるかわからない不安から薬局には早朝から列ができ、何時間も並んだのに買えなかった方もたくさんいます。
例えば、薬局やコンビニ等での予約販売みたいなことができないのだろうか、店舗にある予約表に住所、氏名、連絡先を記入して店舗から予約カードをもらい後日連絡があれば取りに行く、そうすれば並びたくても並べない方にもマスクが届くのではないでしょうか。本人確認にはレンタルビデオショップ等で行っている免許証や保険証などを利用すればいいと思います。
先日友人から電話があり「買い物に来たら少しマスクがあるよ、マスクがなくて困っている方がいるなら買っておこうか、自分はあるから」本来なら黙って自分用に買ってもいいのに、私との話を覚えていてくれたのがとてもうれしかったです。
新型コロナが終息するまで優しく思いやりのある人として頑張って乗り越えたいと思います。(よっちゃん)