普通教室 設置率 78.4%
特別教室 設置率 50.5%
体育館 設置率 3.2%
さて、ヨコイは2年前、小学校体育館への空調設備の導入に関し、独自に設置費用やその抱える問題点について調査している。
まず、費用の概算だが、一般社団法人名古屋設備業協会に問い合わせ試算していただいたところ、小学校体育館空調工事は、器設備費と施工費をあわせ、1校あたり「4,409万7,000円」。また、体育館1か所1時間当たりのエアコン運転コストは1,600円となった。なお、その際必要な空調機器は1体育館あたり8台。これを市内小中学校すべてに設置すると165億円(374校)となる。
■ 小学校体育館に冷房設備を設置した場合の費用の概算
〇 小学校体育館空調工事内容
東邦ガス(株)ヒートポンプエアコン(R410A)
一般的な小学校の体育館面積650㎡で試算
〇 小学校体育館空調工事機器設備費
GHP室外機 ビルマルチ8HP 2,104万円(8台)
防振架台 96万円(8台)
GHP室内機 床置きダクト型 1,104万円(8台)
プレナム室(取付込) 48万円(8台)
プレーリー交換 38万4,000円(8台)
遠隔監視アダプタ外付タイプ(取付キット込) 193,000円(1個)
〇 小学校体育館空調工事施工費
室外機を体育館周りに設置の場合の搬入・据付・施工費込 一式1,000万円(8台分)
※ 上記には共通仮設費、現場管理費、諸経費は含まれていない。
また、課題としては、体育館の壁面に空調機器を設置するに耐えうるだけの体力がない可能性があり、空調設備を体育館の床に8台設置することになることから、体育館の面積が大幅に削られる可能性があること、また室外機を設置する必要があるものの、その場所の確保ができない学校もありうる可能性があること、体育館の扉や換気窓等が空調(冷房)を前提に建設されておらず、かなり気密性が低いためエネルギー効率が悪いことなどが指摘された。
調査の結果、多額の費用はかかるものの、「設置は可能」との結果。これら調査のとりまとめは当時、名古屋市教育委員会にも提出しており、今でも市教委の1校あたり「4,000万円必要」との根拠となっている。
一方、当時、市教委の考え方は、夏場に災害があり避難の必要がある場合には、すべての普通教室に冷房が設置されていることから、普通教室等で避難をしていただければとの姿勢だった。一方、体育館にも冷房の必要は認めており、体育館の建て替えに合わせて体育館の構造を冷房仕様にした上で空調の設置を検討したいとの考えを示していた。
6月24日の本会議で名古屋市教育長は、「体育館への空調の設置について調査し、その後、設置に向け検討したい。」と教育委員会としての考え方を表明。今後、体育館への冷房の設置に向けた調査・検討が進むが、課題は多くすんなりいくかどうかは不透明だ。
■ 小中学校体育館冷房設置工事にかかる試算結果
横井利明オフィシャルブログ「体育館にエアコンは必要?」(2018年8月12日記事) (←click)