アスベスト(石綿)による健康被害救済給付の概要

子どもの頃、当時住んでいた三重県の自宅の裏山に積まれたアスベスト(石綿)の中で遊んでいたというAさんが一昨日、ご逝去された。

肺に吸入されるアスベストの粉塵の大きさは10ミクロン以下であり目には見えない。本人が時には気づかずに吸入し、30~50年後に中皮腫(ちゅうひしゅ)・肺がん・じん肺という肺の病気をひきおこす。アスベストによる中皮腫により、日本では10万人が死亡するという予測がなされ、「静かな時限爆弾」と呼ばれている。

さて、Aさんのように、アスベストによる健康被害で労災保険等の対象にならない場合でも、アスベストによる中皮腫やアスベストによる肺がんで現在療養中の方やそのご遺族の方は「石綿健康被害救済制度」により、医療費、弔慰金等の救済給付を受けることができる。

■ アスベストによる健康被害救済給付の概要
(1)救済の対象となる指定疾病
アスベスト(石綿)による健康被害で救済給付の対象となる「指定疾病」は、アスベスト(石綿)を吸入することにより発症する次の4種類。
(a) 中皮腫
(b) 肺がん
(c) 著しい呼吸機能障害を伴う石綿肺
(d) 著しい呼吸機能障害を伴うびまん性胸膜肥厚

(2)救済給付の概要
・特別遺族弔慰金 280万円
・特別葬祭料 19万9,000円

ご遺族からお問い合わせがあったため、本日、早速「石綿健康被害救済制度」の概要について説明させていただいた。今後、医師の診断書や必要書類等をそろえたうえで、保健センターに申請。国の審査を経て認められれば、3か月後には弔慰金が支給される。
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横井利明
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