はね返す力は増している

 コロナ禍のどさくさに、NUMOが寿都町・神恵内村へ現地事務所を設けます。文献調査から概要調査への地ならしを進めるなか、黙ったままではいられません。昨日から寿都町に入って懇談と、今日が寿都町・神恵内村での街頭宣伝もおこないました。寿都町では幸坂順子町議と宣伝カーの運転で菅一黒松内町義、神恵内村には大田勤町議とで取り組みました。

 風の町・寿都町らしい強く冷たい風に、雪までも時折降ってくるなか、幸坂町議はこの間の経過をあらためて報告。すると各地で家から出てきて、激励してくださる方が次々と。ある男性は「札幌で仕事をしていたが、生まれ育った寿都町で勤め直すことにしました。こんないい町に『核のゴミ』なんて、文献調査であってもダメですよ」と、思いのたけを一気に語られました。

 「子どもたちに核のゴミのない寿都を!町民の会」の発行するニュースが昨日、新聞折り込みされたばかり。ニュースにある「町の声」では「いま住民投票をせずにいつするのですか」「私たちの意見は議会に反映されないのでしょうか」「国は一度噛みついたらぜったい離しません」など、悔しさや腹立たしさの言葉が続いていました。特に、町長が「肌感覚」で手前勝手に判断したことへの怒りが大きい。

 前後しますが昨日、「会」のお一人である三木さんから話をうかがいました。三木さんは住民投票条例を求めた請願で、町議会での意見陳述をおこないました。「これまで議会にも、正直に言って関心がありませんでした」という三木さんが、このまま黙っていられないとママ友や地域の方とつながり、「会」の共同代表にもなっていらっしゃいます。

 お連れ合いさんが寿都町出身で、人のあたたかさや美味しい食べ物、子育てしやすい自然環境に触れて、この町が大好きになったといいます。その大好きな町だからこその行動だったのですが、町民同士が分断されたり、逆に話しにくくなったりする現状への葛藤もあったといいます。しかし、娘さんからの励ましもあって「腹が固まった」という三木さんは、みずからの言葉で、町議会での意見陳述をおこなったのです。

 その後に幸坂さんのお宅でも短時間の小集会をおこない、党の集いへ初めて参加するような方も「町民が声をあげて、NUMOは心を入れ替えることはないのでしょうか」など、ため込んでいた思いも語られました。NUMO自体は推進のための組織なので、申し出の撤回へと町を変えていこうと私からも訴え。町民は負けていないし、NUMOや国・町が進めるほどに、はね返す町民の力が強くなっていくことは間違いありません。

 神恵内村では街頭宣伝のほかに、反対の声をあげ続けている滝本さん宅を訪れました。何と海外の報道機関からも取材を受けて、この問題は国際的な注目を浴びていることもよくわかりました。「村議会には反対と言っている議員もいます。粘り強く声をあげていきます」と、87歳とは思えぬ元気な声を張り上げました。私も元気をいただきました。

 神恵内の宣伝中にも、車から手を振る方の姿が相次ぎました。寿都町以上に表立って声をあげにくいとされる神恵内村だけに、その姿がとても心に残りました。交付金で地方へと押しつける国のやり方は許されないし、同じ国の交付金なら中小企業や地域経済を直接支援するものへ転換すべきだと、私も力を込めて訴えました。

 街頭宣伝の合間にも、コロナ禍で生活資金が底を尽きそうだという札幌のお子さんについての相談や、これまでも応援してくださった方との出会いなど、やらなければいけないことの多さを実感しながらの1日となりました。のんびりとしてる間にも、NUMOは地ならしの準備を進めています。現地と連帯して、全道へと私も発信を強めたい。

 【今日の句】この町が 好きだからこそ 声となり

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畠山和也
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