共同責任を押しつけるな

 「核のゴミ」最終処分場につながる「文献調査」での国からの交付金は、近隣自治体へ配分することが可能になっています。近隣を抱き込ませる国の手法は問題だし、受け取らないでほしいと蘭越町・黒松内町・島牧村・岩内町へと要請・懇談に、松井真美子道4区予定候補・菊地葉子道議とまわりました。

 すでに神恵内村近隣では泊村・共和町・古平町に7500万円ずつ配分されるものの、同じく対象である道は「核抜き条例」があるもと受け取らず、積丹町も同じく辞退しました。今日まわった4町村は、寿都町からの配分対象にあたる自治体になります。事務手続きの関係から20日が回答期限とされています。

 蘭越町・金秀行町長は18日に回答予定。今日の要請主旨にも耳を傾けてくださいました。昨年、寿都町長が突然表明してから、受け入れがたいと黒松内町・島牧村と足並みをそろえてきた経過も振り返られ、あわせて当事者でもない自治体が、共同責任を負わせられるような決断が迫られることにも言及。私からも「責任を地方自治体へ押しつける国の進め方は改めるべきです」と応じました。

 黒松内町・鎌田満町長も正式な表明は明日とのこと。どの自治体財政も苦しいなか、冗談混じりに「自治体に手をあげさせないで、国が責任をもって渡すとすれば」と鎌田町長。地方自治体にとって「核のゴミ」は重すぎる課題なのに、国が責任を押しつけているように見えるのは当然です。鎌田町長とはコロナ対策や函館本線(山線)にも話が及び、あらためて国が公的責任を果たすべきと私も強調しました。

 島牧村・藤澤克村長は、午前の議員全員協議会で配分は受け取らないと表明したばかり。議会でも支持が多数だったそうで、「ジャストタイミングですね」と笑いながら要請書を受け取ってくださいました。島牧村は村独自の「核抜き条例」も持っています。「全国の自治体が手をあげたら、すべての自治体に国は交付金を出すのでしょうか。それではモラルハザードになってしまう」との話も納得です。

 岩内町・手塚良人副町長は「電源立地交付金同様と判断している」としつつ、町長からの正式な表明は20日とのこと。泊原発の周辺町村である泊村・神恵内村・共和町が受け取る流れがあるだけに懸念は残ります。同時に、人口がピーク時の2.5万人から1.2万人へと半減したなか、水道など公共インフラを維持し続ける困難さがあることの訴えには、しっかり向き合わなければなりません。だからこそ財政が苦しい地方自治体へ「核のゴミ」交付金で紐付けするようなことも許されないのです。

 幸坂順子・寿都町議、岩沢史朗・黒松内町議、大田勤・岩内町議が要請・懇談に同席してくれました。大田町議が「配分をもらわないことこそ風評被害対策になる。もらうとモノ言えないことにもなる。漁業支援などがんばっている方向でこそ町づくりを」と訴えるなど、日本共産党の地方議員がいることの大切さを、そばで聞いてて実感もしました。

 なお、寿都町や神恵内村では原子力発電環境整備機構(NUMO)が、行政との連携や戸別訪問を強めています。「文献調査」で終わりではなく、最終処分場受け入れまで進めたいがための地ならしではないのか。そうなれば一自治体だけの話でなく、近隣自治体はもとより全道的な重大課題です。ぜひブログをお読みの方も話題としてまわりへお広げいただきたいし、反対の声もいっしょに大きくしていきましょう。

 【今日の句】後始末 地方丸投げ 許せるか
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畠山和也
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