酪農の切迫さに政治が応えて

 清水町議選の応援後に、新得町へ立ち寄っての懇談・調査。切迫している酪農についてJA新得町・太田眞弘組合長さんから現状を聞き、バイオガス発電を取り組む友夢牧場にも足を運びました。現場で話を聞くことの大事さを痛感です。

 新得町の総農家数111戸のうち酪農は39戸、乳牛数は8,838頭のほか肉牛としての乳用種も約27,000頭(いずれも2020年度)を数えます。蕎麦も有名な新得町で畑作との複合経営をしている農家で(全道的傾向ですが)酪農の方をやめようか、との声もあるようです。

 背景は飼料・肥料価格の高騰に見合うだけの、国の支援が見えないこと。脱脂粉乳などの在庫が積みあがっていることから、減産を強いられる現状も苦しい。国が増産や大規模化を誘導したのに、今度は減産や頭数減らしを進めるなど酪農家にとってはやりきれません。

 なにしろ「減産目標を進めるには、多くの乳を出すいい牛も手放さなければいけない」(太田組合長)現実に直面するからです。せっかく育てた牛なのにと、話を聞くだけで切なくなりました。子牛価格も安く、経営意欲が削がれていけばやめようかとの思いに傾きます。

 牛を手放しては、いつか増産の時期が来たときに対応できません。しかし、牛を飼っていればコストがかかる。「国が需要拡大や需給調整を進めて、早く在庫を減らして乳を搾れるようにしてほしい」との訴えを、切迫感をもって聞きました。まさに地域農業・地域経済の瀬戸際です。

 友夢牧場は、経産牛1000頭を抱える大規模牧場。大規模ゆえに減産の苦労も大きく、乾乳期間を通常の倍にしているといいます。太田組合長さんも述べてましたが、頭数が多い十勝全体で取り組まないと、全道での目標も達成できなくなるとの思いがあります。「牛も搾乳されないで、エサを食べてるだけだよ」と湯浅会長さんも苦笑い。

 友夢牧場では、糞尿によるバイオガス発電も取り組み、その余剰熱を使ったハウス栽培の実態も聞きました。北海道で初めてとなるメロンの水耕販売だけでなく、バナナ栽培に取り組んでいるのも驚きです。メタンガスが燃料となって発電機をまわし、残った消化液は良質な肥料として大地に還ります。これまでもバイオガス発電の調査にまわってきましたが、いつも可能性の大きさを実感しています。

 強大な軍事力が安全保障ではなく、地域で飢えることなく生活できてこそ国民にとっての安全保障。学んだことを、しっかり反映していきたい。

 【今日の句】食料の維持こそ 安全保障だと

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畠山和也
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