なし崩しに約束を破らないで

 実行委員会による「憲法とくらし ちかほフェス」のトークカフェにお邪魔しました。話題の1つは幌延町の深地層研究センターについて。ちょうど今日の北海道新聞で、道と幌延町が研究期間の延長を認める見通しと報じたばかりでもあったのです。

 「ちかほ(=札幌地下歩行空間の愛称)フェス」は今回が3回目。市民団体などが集まり、アート展や人権ポスター展、労働相談に署名コーナー、チャリティーバザーなど盛りだくさん。イベントの1つに「国会議員とおしゃべりしよう!」トークカフェがあって、日本共産党は紙智子参議院議員だけでなく前職の私にもご案内がありました。ありがたいことです。

 立憲・国民・共産の各議員が1人40分ほどで交代しながら、円卓を囲んで話し合う形式です。どんな話が飛び出すかシナリオなしなので、少し緊張しながら私も席へ。始めた途端に「要望書も持ってきたのですが‥‥」という方がいて、聞くと原発の廃棄物処理場についてだったのです。

 「原発廃止を条件に、電力の大量消費地であった大都市で引き受けるべきではないか」との内容でしたが、その心は、先送りしてはならない課題だけに目をそらさずに議論しようということでした。お気持ちは受け止めつつも、安全性の確立や住民合意ができないもとでは難しい課題であることも私から率直に述べました。

 そこで前段の幌延町・深地層研究センターですが、そもそも研究期間は「20年程度」として約束されたものでした。その協定ができた背景は、道民から「最終処分場とされるのではないか」との疑念が強かったからでした。協定は機構・道・幌延町の3者が結んだものですが、道民との約束というのが本質と私は考えています。道として、この約束をどう守るかを基準にして考えるべきではないのか。

 研究には終わりはありません。しかし上記のような経過があったわけですから、一般論で語る問題でもありません。必ず延長9年で研究を終わらせるのかとの記者の質問に、機構側は「最大限の努力をする」と明言を避けたようです。「期限なき延長」となれば、そもそもの約束を守るつもりはなかったのかということになります。

 この問題のほかにも、風力発電の影響、気候変動対策、自治体でのハラスメント根絶など多岐に渡る質問や意見が次々と。最後に私から、フェスのテーマである憲法とのかかわりで「このように民主主義を具現化していくことこそ、憲法が示す『不断の努力』です。また話し合いましょう」と結びました。いろいろと学ばせていただきました。

 【今日の句】語り合い 民主主義って 根が張られ
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畠山和也
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