権利保障は実践の課題

 党道委員会による「アイヌ民族の先住権を考える集い」案内も兼ねて、北海道博物館へ足を運びました。北海道の歴史を知るには絶好の場所で、懇談の後に展示を見てまわると、あっという間に時間も過ぎてしまいます。

 目的はアイヌ関連なので、先だって学芸員の山田伸一さんからお話もうかがいました。サケ採捕や遺骨返還に焦点が当たることが多いものの、大事なのは歴史的事実を知ることから、と山田さん。例えばサケ採捕にしても、河川ごとに歴史や状況が違います。伝統儀式のためか、生業のためかでも受け止めは変わってくるでしょう。

 アイヌ施策推進法が成立して、法に対する是非はあるものの、地方自治体の施策力も問われることになりました。その際に当事者抜きで決めることなど、もちろんあってはなりません。国際水準で求められる権利保障とは、理念の段階から実践の段階へと進んでいると思うのです。そう考えると、北海道庁でさらに前へ進む動きがあっていい。

 あらためて展示を見ると、伊達火力発電所の建設中止を求めて青年アイヌが立ち上げた団体の新聞がありました。交易を通じた発展とともに、収奪されたことへ立ち向かった歴史も、あらためて学びました。ウポポイを見て関心を高めたという方は、ぜひ北海道博物館へも足を運んでほしいです。

 毎月1日は、労働争議を支援する、たたかう仲間と連帯する「いちの日」行動。コロナ禍で止まっていた裁判が動き出すなかで、KKR札幌病院で過労から自死した新卒看護師・杉本彩さんの事件についての報告もありました。本人の「振り返りノート」を弁護士さんが調べる過程も紹介され、二度と同じことがないように病院としても誠実に向き合ってほしいと痛感しました。

 先立つ「北の鉄路存続を求める会」の宣伝は、「JR日高線を守る会」地脇聖孝さん、留萌本線の沿線自治体から沼田町義・篠原暁さん、「有害掘削土から手稲の水と安全・健康を守る会」共同代表・堀井克幸さんも駆けつけてくださいました。足を止める方、署名に応じる方の姿も多く、注目が集まりました。

 「国が責任を負わない今の政策では、どの鉄道も将来なくなってしまう」(地脇)、「留萌市でも存続を望む声がある。つながってこそ鉄道です」(篠原)、「ヒ素の危険性を多くの方に知ってもらい、いっしょに考えていこうと呼びかけたい」(堀井)など、お1人お1人の思いがひしひしと伝わってくるスピーチ。安全な公共輸送を担う鉄道は、今こそ求められているんです。

 地脇さんが指摘するように、国の大元の姿勢がすでに問われている事態にまでJR北海道は陥っています。日本共産党は2017年に鉄道政策を発表していますが、さらに国の責任の比重を強めなければならないかもしれません。いずれにしても、地方に存続の責任を押しつけるような進め方をしてはならないです。

 【今日の句】誰であれ 安倍政治から 転換を

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畠山和也
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