財政支援を受けるなら鉄路を守って

 JR北海道のダイヤ改正にともなう減便の見直しや路線の維持・存続を求め、地方議員らでJR北海道と道運輸局へ要請に行きました。国から今後3年間で1302億円の支援金が見込まれるなかで、バス転換や減便、駅の無人化・無人駅の廃止などを次々と進めていいのか。公共交通にふさわしく役割を果たすべきとの訴えです。

 沿線自治体からは北名照美深川市議・篠原暁沼田町議(留萌本線)、米沢義英上富良野町議・旅館経営の大居明夫さん(根室本線)が駆けつけ、菊地葉子道議も同席しました。全道的な悪天候のため、米沢さんと大居さんは代替バスを1時間以上も待ったとか。CMで「冬こそJR」と謳っていた時代との落差を感じます。

 要請内容は、①ダイヤ改正に沿線自治体や住民の声を反映させ、以下の便は維持すること(※留萌本線や根室本線の減便)、②道内の鉄道網を維持すること-ーが中心。減便については以前に書いた、留萌本線での深川19時22分発・留萌行などです。根室本線も減便によって、他の路線と接続が悪くなります。

 ご自身の子どももJRを使って通学していたという篠原町議。「朝6時半から通学する高校生もいる。減便で帰るのが1時間遅くなれば、学業生活に影響が出るのではないか」と迫りました。町民から「塗装が剥げた列車を見ると、JRはやる気がないと思ってしまう」と言われたと紹介した米沢町議は、「外装も直し、使い勝手もよくして『JRは変わったなあ』と言われるようになってほしい」と強調しました。菊地道議も、道議会特別委員会でJR北へ説明を求めることで一致した経過に触れ、「財政支援を受けるのであれば、しっかり減便見直しや路線の維持を」と求めました。

 JR北からは「利用が少ないダイヤ改正にはご理解を」と述べていたものの、留萌本線の減便については「学生の部活や学業を守るために、どういうことができるか検討中」と応じました。路線維持の要請には「利便性が高く持続可能な交通体系に」と従来通りの方針を述べつつ、バス転換には地域の合意形成が必要とも述べました。道運輸局は、議員などから出された実態などを「JR北にはしっかり伝える」と応じました。

 留萌本線と根室本線は、バス転換が望ましい「赤線区」とされています。しかし、留萌本線の沿線自治体では利用促進への支援をしているし、根室本線でも自治体や経済界・町内会などもまとまって路線維持を求めています。道運輸局では「赤線区」は財政支援の対象とされていない旨の答弁がされたものの、これだけの沿線自治体の努力や意志を、どう受け止めているのでしょうか。何より鉄路はつながってこそ。路線維持へ、引き続き道内での世論を高めていきたい。

 【今日の句】学業や くらしを支える 鉄道に

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畠山和也
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