一歩でも半歩でも前へ

 明後日で大地震から1年。紙智子・岩渕友の両参議院議員と厚真町・安平町・むかわ町を訪れ、いろんな思いがよみがえりました。

  けたたましい緊急地震速報の電子音に目が覚め、ほぼ同時に強い揺れに襲われました。キャラバン先だった洞爺湖町で、ほどなく停電にもなって、この時は全道でブラックアウトになっているとは思いもしませんでした。そして、1年が経とうとしても「復興はこれから」と言う状況になっているとも思いもしなかったのが地震直後でした。

 復興へ懸命に向かう足取りと、それを阻むような制度の壁。一方で、先が見えない状況を率直に語られることは、聞いていながら胸が苦しくもなる1年でした。聞きっぱなしではダメだし、一歩でも半歩でも進めるために力を尽くさなければいけません。

 厚真町では宮坂尚市朗町長、安平町では及川秀一郎町長、むかわ町では出張中の竹中喜之町長に代わり渋谷昌彦副町長から現状や課題をうかがいました。大きな課題は住まいですが、安平町・むかわ町は基準の壁があり災害公営住宅を建てられないでいます。厚真・宮坂町長も含めて、運用の柔軟性を求めることは共通の要望です。

 くらしの支援も重要です。仮設住宅での懇談をするなかで、「夫婦での医療費は約40万円もかかる。1年間の軽減措置があって助かったが、8月末で打ち切りになった」など切実な声をうかがいました。地方議会で取り上げることとともに、根本的には国の姿勢が反映していると思います。

産業の育成も課題です。むかわ町の町議会議長で、苫小牧広域森林組合の組合長も務めている小坂利政さんは「林道や路網が崩れため現場に行けず、復興に何年かかるかわからない」と訴え、民有林の場合なら「売って少しでも利益になるように」と手立てを取ってもおられます。流出した木材を産廃として捨てるわけでなく、材やチップとしての活用なども話題になりました。本当に課題は多い。

 ほっとしたのは厚真町の仮設福祉住宅を訪れた際。厚真福祉会のみなさんは地震直後から全道の連携施設に連絡を取って、すべての入居者の生活を守ってきました。職員さんの負担も大きかったことと思います。医療・介護や、そこで働くみなさんの現実にも目配りしなければならないです。しっかり時間をとって話を聞かなければいけないですね。

 明日から2日間は札幌市内をまわり、各団体との懇談会です。

 【今日の句】聞こえない 声に今こそ 耳を向け
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畠山和也
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