防衛技術博物館(仮称)など

 石破 茂 です。
 さる12日、WTOの上級委員会が韓国による日本水産物の禁輸を不当とした小委員会の判断を破棄して、事実上の日本の逆転敗訴となったことにつき、今週の自民党関係部会では政府批判が噴出しました。
 政府側からは「敗訴ではない」「手続きに誤りがあったのであって日本の安全基準の否定ではない」との見解が示され、確かにそれはそうなのでしょうが、一般の国民には分かりにくいことこの上ありません。
 再審がない以上、WTOの判断はこれで確定することになり、今後東北の漁業者を中心とする水産関係者への対応が焦点となります。今回は「外交敗北」との批判が党内に強いのですが、さりとてこれが国賠法の対象となるとは考えられず、電力会社が負担すべきとの結論も論理的には導きにくい。では水産関係者はどうなるのか。コンセンサス方式のWTOの在り方、日本のロビー活動戦略の見直しとも併せて、よく精査してみなくてはなりません。

 11日午後、尾崎行雄記念財団で講演してきたのですが、咢堂翁の残した言葉には「人生の本舞台は常に将来にあり」という他にも「日本には徒党はできても政党はできない」「自尊心のある人は権力に屈しない。自尊心のある人は金銭に惑わされない」「利害得失のみに執着する日本人の封建思想を叩き直して、正邪善悪に基づいて行動する人間をつくることが民主主義の目的であり、教育者の使命である」「人を殺すものは労苦ではなく、クヨクヨすることだ」等々、己を反省させられる含蓄の深いものが多くあります。

 14日日曜日夕刻には、北川知克議員の逝去に伴う衆議院大阪第12区(寝屋川市・大東市・四条畷市)の補欠選挙に党公認・公明党推薦で出馬している北川晋平候補の応援で大阪府大東市に行って参りました。
 大東市は人口約13万人の中都市ではあるものの知名度が高いとは言えず、私も不勉強でほとんど知識がなく、東海林太郎の「野崎小唄」で有名な「野崎まいり(まつり)」の野崎観音があるまちであることを今回初めて知りました。
 生きとし生けるものすべてに感謝する有り難い法要に参加するGWの野崎まいりですが、近松門左衛門の作品「お染久松物語」や「女殺油地獄(おんなころしあぶらのじごく・一度聞いたら忘れられない何とも凄いタイトルです)」などの舞台となった地でもあります。今や絶滅寸前となっているチンドン屋さんや大道芸、300軒以上が出店する屋台は実に面白そうです。
 「金魚すくい」「ヨーヨー釣り」はお祭り屋台の定番ですし、「ヤドカリすくい」や「おたますくい」までは想像できるものの、「かめすくい」「ひよこ釣り」「ハムスター釣り」となると想像がかなり困難で、「くまモンすくい」となると全くイメージが湧きません。「ハムスター釣り」には動物愛護の観点から批判が出て今はやっていないそうです(哺乳類だから?)。「うなぎ釣り」は価格の高騰もあってか、糸の強さによって竿の値段に大きな幅があるとのことです。
 選挙応援で各地を廻っていると、このような雑学的知識が豊富になりますが、出来る限り地域のことを知っておくのは応援に出向く際の心得であると思います。

 中谷元代議士や城内実代議士とともに議員連盟を設立して取り組んでいる「防衛技術博物館(仮称・御殿場市予定)」設立に向けて、現在英国人の方が所有している「95式軽戦車」の修復・里帰り事業が「防衛技術博物館を創る会」の手によって進められています。本年4月30日締切でクラウドファンディングによる資金調達(必要資金5000万円)を行っており、御賛同いただける方の御芳志をお待ちしております。
 これからも戦争が起こらないようにするためにこそ、先人たちがいかに英知を結集して技術を高めたかを知ることはとても重要ですし、兵器によってその国の防衛思想の変遷も、国家の在り方もリアルに学ぶことが出来ます。この種の博物館を国として保有していないのは主要国では恐らく日本だけであり、そのこと自体が教条主義的・観念論的平和論を生んでしまうように私には思われます。軍事・安全保障論は常にリアリズムと歴史を透徹して見つめることが基本だと考えています。

https://readyfor.jp/projects/type95HA-GO

 週末は、20日土曜日がとっとり琴浦熱中小学校第2期入学式(午後1時・旧以西小学校・東伯郡琴浦町)、鳥取県簡易郵便局通常総会懇親会(午後3時・鳥取市内)。
 21日日曜日は、宇部神社春季例大祭・御幸祭(午前11時・鳥取市国府町)、東部後援会女性部「さつき会」春の懇親会(午後1時・鳥取市内)、という日程です。
 私が崇敬会の会長を務める宇部神社は、鳥取県唯一の名神大社として特別の社格が与えられ、因幡国一の宮として信仰を集めています。社殿は明治32年に全国の神社としては初めて、御祭神である武内宿禰命(たけのうちすくねのみこと)とともに5円紙幣に載せられ、その後大正・昭和と何度か紙幣の図柄となった「お金にご縁のある」神社でもあります(その割に私はあまりご縁がありませんが)。
 早いものでもう四月も下旬となります。
 皆様ご健勝にてお過ごしくださいませ。

 

PR
石破茂
PR
石破しげるをフォローする
政治家ブログまとめ