鳥取県議補選勝利など

 石破 茂 です。
 さる24日日曜日投開票の鳥取県議会鳥取市選挙区の補欠選挙におきましては、自民党推薦・公明党支持の山本暁子候補が19076票を頂いて第1位当選を果たすことが出来ました。賜りました多大のご支援に心より厚くお礼申し上げます。
 鳥取市で県議会議員単独の補欠選挙が行われるのは46年ぶりのことでしたが、有権者の関心は恐ろしく低く、投票率は27.6%に留まりました。選挙カーに同乗して、あまりの反応の無さに愕然としましたが、これは補欠選挙の故なのか、自民党に対する忌避感の故なのか、最後まで判然としませんでした。山本候補の得票率は47%でしたが、2位当選の維新公認候補、次点の立憲民主党・国民民主党推薦の連合内部候補の合計得票率を下廻ったことにはよく気を付けなければなりません。
 山本暁子女史は鳥取市の進学校から大阪府立大工学部に学び、東京でIT関連の仕事に就いた後に故郷へ夫君と共にUターン、鳥獣害に悩む農家のために猟師として猪や鹿を捕獲し、空いた時間はスマホ教室やリモート学習塾などを開いてITの普及に努めているという、今までの自民党にはないユニークな若手女性候補で、何とか過半数は得票出来るかと秘かに期待したのですが、多々ある反省点を今後の糧にしたいと思っております。

 

 令和6年度予算は昨日、ほとんど波乱もないままに成立致しました。「政治とカネ」問題に審議時間の多くが費やされ、予算の内容についての議論が深まらなかったのは残念なことでした。特に、経済・金融政策において、マイナス金利を解除しても円安が加速し物価高の要因となっていることについてのさらなる議論が必要だったと思います。

 

 本日、今後のシェルター整備についての政府の方針が示されました。やっとここまで来たか、という思いと共に、ここまで20年もかかったことには忸怩たるものを感じます。
 シェルターによる国民保護の本質は、拒否的抑止力の強化なのですから、その整備は計画的かつ早急に行われなくてはなりません。
 主体的に予算を要求する官庁が存在しないことがここまで遅延してしまった最大の原因なのですが、各省庁の消極的権限争いの結果として国民保護がないがしろにされてよいはずがありません。先の大戦において、日本にはドイツの10分の1の爆薬量しか投下されなかったのにもかかわらず、それ以上の犠牲者を出したことの反省は今こそなされるべきものです。大戦後に取りまとめられたアメリカの戦略爆撃報告では、市民の生命・身体の保護を軽んじた「防空法」に触れ、「日本政府には国民を守るという意思が無かった」と記されており、成果がほとんど期待されないのに敢えて尊い人命を犠牲にした特攻作戦も、この同じ流れにあるものです。特攻で散華された英霊の思いを無にしないためにも、国民保護は徹底されなくてはなりません。

 

 今週は多くの時間をガザ地区のUNRWA(国連パレスチナ難民救済事業機関)に対する日本政府の支援再開に向けた議論に費やしました。幸い、再開に向けた具体的な協議に入ることとなり安堵してはおりますが、具体的な支援額(2022年はアメリカ、ドイツに次ぐ約45億円を拠出)、再開時期、支援内容はどのようになるのか、今後さらに詰めた議論が必要です。UNRWAの職員がハマスの構成員(すでに解雇済み)であったことを問題視する向きもありますが、それと無辜の民が毎日死傷することとは分けて議論されるべきです。
 ハマスの行為は厳しく非難されるべきですが、イスラエルの武力行使も植民政策も明らかに国際法を超えたものであり、その犠牲者を救済するのは当然のことです。ガザの負傷者に対し、フランスやイギリスは病院船を沿岸に派遣したとの報道がありますが、日本にも輸送艦の機能を生かしたそのような活動が可能か、詰めて考えてみたいと思っております。

 

 今週は、総裁はじめ自民党執行部による旧安倍派幹部議員への聴取が続き、報道によれば来週にも党紀委員会の手続きを経て処分が決定されるとのことです。「実に怪しからんことで許せない」「次の選挙に備えて党のイメージ回復のためにも重い処分を」との党内外の厳しいお怒りの声は十分に承知しております。それをよく理解した上でなお、ただ空気に流される形だけにはならないよう、切に願います。
 党則上、処分を決定するのはあくまで党紀委員会なのであり、その審議の過程においては、いつどのような行為がなされ、過去の処分との整合性の観点からもそれに対してどのような処分が適切なのか、党紀委員会の審理の対象となった者がどのような弁明をし、それに対してどのような質疑が行われ、それぞれの党紀委員がどんな意見を述べたのかも可能な限り明らかにすべきです。公の裁判ではないので、裁判のシステムをそのまま適用することは出来ませんが、国民によって選ばれた議員の身分に関わる問題なのですから、「法に基づく支配」的な考え方は党のカバナンス確立のためにも貫かれなければなりません。

 

 明日は広島市、明後日は徳島市、明々後日は松江市と講演や選挙応援の日程が続きます。
 今年の桜の開花は昨年よりもかなり遅くなるようですが、一度だけでよいので、桜を愛でる機会があることを願っております。
 皆様、ご健勝にてお過ごしくださいませ。

PR
石破茂
PR
石破しげるをフォローする
政治家ブログまとめ