石破 茂 です。
阪神淡路大震災から四半世紀が過ぎました。発災した時、私は地元の自宅で就寝中でしたが、鳥取も経験したことの無い揺れに見舞われ、妻や当時まだ小さかった娘たちの無事を確認した後、慌ててテレビをつけ、神戸の惨状に呆然としたことをよく覚えています。
京都大学防災研究所の矢守克也教授は「大震災と名の付く三つの災害の死亡原因は、関東大震災では9割が火災、阪神淡路では8割が建物倒壊、東日本では9割が津波によるものと、それぞれが全く異なるのであり、次はどのような災害なのかという想像力が非常に大事である」と述べておられますが(本日付毎日新聞朝刊)、まさしく然りと思います。その意味からも防災省(仮称)の創設は喫緊の課題ですが、神戸市や兵庫県がこれを強く主張しても一顧だにされない現状には憤りに近いものを覚えます。何故か日本ではあまり報道されませんが、トランプ米国大統領は13日、イラン革命防衛隊司令官殺害の理由について,「米国に差し迫った脅威があったかどうかは、彼の忌まわしい過去を見ればどうでもいい」とツイッターに投稿しました。しかしこれは前回も触れたポンペオ国務長官の「司令官殺害の法的正当性について、政権内で徹底的に議論した」という発言とは根本的に齟齬があるとしか思われません。
アメリカなら何でも許される、というのはあり得ないことであり、その論理立ての当否はともかくも、アフガニスタンやイラク攻撃の際はそれなりの国際法的な正当性を主張したはずで、今回のような乱暴な発言が当時の米ブッシュ(子)政権から出たことはありませんでした。
国際法の解釈はそれぞれの国に委ねられており、他国が論評することは適当ではない、と言ってしまえばそれまでですが、唯一の同盟国であり中東地域の安定が死活的に重要である我が国としてこの攻撃の法的正当性について思考停止に陥ることがあってはなりません。これはアメリカのみならずイランの報復攻撃についても同様です。河合克行前法務大臣と配偶者たる河合案里参院議員が15日夜それぞれ会見し、「国会に出席せず説明もしなかったのは、捜査や国会審議に支障をきたすことを避けるためだった」と述べたことには少なからず違和感を覚えました。自身の潔白を国会の場で説明することがどうして捜査や国会審議に支障をきたすのか、私にはよく理解が出来ません。捜査や国会審議を促進することになりこそすれ、阻害するとは本末転倒なのではないか。会見するなら直前に通知するのではなく、もっと早くに告知し、しかるべき場所を設けて丁寧に時間をかけて潔白を明らかにした方がご自身のためであったはずです。
かつてリクルート事件や東京佐川急便事件の際、中曽根元総理や竹下元総理のような方々は、証人喚問に応じてでも説明責任を果たそうと努力されたと記憶しますが、あのような自民党の気風は何処へ行ってしまったのでしょう。
地元に多くの反対がある中で敢えて河合案里氏を参議院公認候補として擁立し、二議席独占を目指した背景には、元自民党参議院会長でもある現職の溝手議員が、第一次安倍内閣で国家公安委員長在任中に安倍総理を批判したことが根底にあると一部で報道されています(結果は野党系候補と河合氏が当選し、溝手氏は落選)。一国の総理たる方やその周辺によもやそのようなことはないと思いますが、厳しい選挙の遺恨は地域に長く残るのであり、公認候補の選定に当たっては今後更に公正・公平を期すことが、自民党の有権者に対して果たすべき責任です。13日成人の日にはBS日テレの番組収録で京都の叡山電車「きらら」「ひえい」に乗って鞍馬山まで行って参りましたが、オフシーズンにも拘らず世界各国や全国からのお客様で大変な賑わいでした(放映は1月24日と31日、午後10時から)。
全国には多くの観光列車の取り組みがありますが、そこにある素晴らしい観光資源に甘んじることなく、地域の魅力を最大限に磨いて付加価値を高めている取り組みには学ぶべき点が多くあると感じました。「出発地型」ではなく「着地型」観光の好事例と思います。京都観光の機会があれば是非一度お出かけになってみてください。週末は18日土曜日が「細川珠生のモーニングトーク」出演(午前7時5分・ラジオ日本・収録)、鳥取県看護連盟新年会(正午・米子市内)、鳥取県歯科医師会新年祝賀会(午後4時半・鳥取市内)、鳥取県自動車整備振興会中部支部新年互例会(午後6時半・倉吉市内)。
19日日曜日は「NIKKEI日曜サロン」出演(午前9時半・BSテレ東・収録)、鳥取県保育推進研究大会(午前10時・倉吉市内)、吟道翔風流日本吟翔会新春雅詠の集い(午前11時半・鳥取市内)、自民党湯梨浜町東郷支部新年会(午後1時・湯梨浜町内)、岩崎元孝氏藍綬褒章受章祝賀会(午後1時・倉吉市内)という日程です。
今週も慌ただしい一週間でした。来週20日月曜日には通常国会が召集されます。
皆様ご健勝にてお過ごしくださいませ。