東京五輪に寄せて

 石破 茂 です。
 明後日、23日より東京五輪が開会されますが、東海道新幹線の車内誌「ひととき」に、あくまでも今の立場を離れて言えば、とても共感する一文があったのでご紹介します。
 「…古書展で、『小学生のための東京オリンピック』(学習研究社)を見つけたとき、堰を切ったようにいろいろなことが思い出された。あの頃、ボロボロになるまでに読んだはずなのに、こんな本があったことも忘れていた。それでも、表紙を見れば、直ぐにスイッチが入る。子供の頃の自分がいて、あのとき、少しだけ乗った新幹線の車内の匂いまでが、感じられるようだった。
 そうだ、あれは載っているだろうかと頁をめくった。閉会式での一幕だ。世界各国の選手たちが入ってきた。整然と行進する日本の選手団と違って、彼らは列など作らず、全く自由気ままだった。中には、競技用の短パン姿で走っている選手もいる。やがて、日本の旗手を取り囲み、渾然一体となった。その笑顔と歓声のなかで、旗手は皆に肩車され、日の丸が揺れた。
 期間中、少年の私は勝ち負けに興奮する日々を送っていた。でも、その最後に目にした光景は、驚きと、温かさに溢れたものだった。大げさに言えば、世界と繋がる物語に、あのとき初めて出会ったのかもしれない。
 あとがきに『日本でオリンピックが開かれるなど、わたしたちの一生のうちでも、二度とないかもしれません』と書かれていた。なるほど、私の東京オリンピックはあのとき存分に味わった。もう済んでいるらしい。」(内堀弘氏「古書もの語り43」・「ひととき」8月号所載)

 世の中には、本当に文章の上手い人がいるものだと感じ入ったのですが、「済んでいる」かどうかはともかく、私たちの世代には似た思いを持つ人も多いのではないでしょうか。
 今回の五輪についての私の思いは前回記したとおりですし、それは今も全く変わりませんが、たとえ綺麗ごとと言われようとも、五輪の持つそもそもの意義をもう一度、それぞれ国民一人一人が問い直してみるべきものと思っております。
 そして、米中対立という環境下、本年の中国共産党創設100周年を終えて、来年2月4日から開催予定の北京冬季五輪は、21世紀の世界を大きく変えるものとなるのかもしれません。
 今大会の無事を祈るとともに、来年を見据えて、日本の在り方が問われます。

 酷暑の折、皆様ご健勝にてお過ごしくださいませ。

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石破茂
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