国葬や統一教会問題で政府がゴタゴタする中で見過ごされがちですが、この10月は過去最大級の値上げが生活を直撃しそうです。
◆アレも!コレも?6500品目超
今回の値上げは食品だけでも6500品目以上。例えば日常の買い物で見てみましょう。仕事帰りにスーパーやコンビニに寄り、帰ってちょっと一杯やろう、と酒やビール、おつまみにハムやソーセージ、明日のお弁当用に冷凍食品も、ついでにちょっとしたお菓子でも買おうかと思った場合、その全てが値上げ。
これまでと同じ調子で1000円でお釣りがくるだろうと思っていたら1100~1200円を超えていた、ということも普通に起きるかもしれません。
目ざとくお値段すえ置きの食品を見つけても、袋の中身はごっそり減っていた…ということも増えるでしょう。今までだって十分痛めつけられていた家計はますます苦しくなるばかりです。
◆雇用保険まで!
モノの値段だけではありません。10月から雇用保険料も上がります。一般事業に勤務されている方で0.2%の引き上げですから、例えば額面の月収入が30万円だった場合には、月600円の引き上げとなります。また、民間保険でも、大手保険会社の火災保険料の目安が10月から平均で10.9%アップの、過去最大の値上げとなります。
もしもの時に備えるためとはいえ、直接モノを買っているわけではない保険料の支払いで生活が圧迫されるというのも、非常に悩ましいところです。
◆貧しくなった日本
背景として、世界中でインフレ傾向にあることや、泥沼化しつつあるウクライナ戦争による穀物・エネルギー資源への影響、円安による仕入れ価格の実質的な上昇など、複合的な理由が挙げられますが、一言で言うなら「日本の国力が落ちている」ということ、これにつきます。高度経済成長期は、概ね年平均で5%前後のインフレが進んでいましたが、経済成長率は10%前後、「所得倍増計画」という政府の目標に代表されるように賃金はうなぎ上り、銀行にお金を預ければ利子だけでも一儲けという時代でした。
モノの値段が上がっても、庶民にお金が回転していたので経済も成長し、問題がなかったのです。
国力とは、単なるマクロデータの数字上のものではなく、数値上に上がってこない庶民の暮らし向きを含めた総合的な評価です。
今のように一部の富裕層や大手企業だけが富を貯え続け、株価や会社業績だけが名目上伸びて行っても、大多数の庶民にお金が回らなくなれば経済も成長せず、値上げによる生活苦が発生するのは当然で、それはすなわち日本の国力が落ちているということなのです。
◆今こそ、再分配システム!
岸田総理は、低所得世帯に5万円を配る案を提示するとのことで、それ自体は緊急的な支援として結構なことだと思いますが、一時的なばら撒きだけでは物価高による生活苦への根本的な解決にはなりません。負担する余裕のある企業や個人が税や社会保障費用を相応に負担し、いつまでたっても賃金が増えなかったり、経済的問題で子どもが持てなかったりする方などにお金を還流させる、恒常的な「再分配」システムを作ることこそが、生活苦の解消につながり、日本の国力を上昇させるのです。
スタッフ日記「112年の歳月」
奈良市内にお住まいだった国内最高齢男性の上田幹蔵さんが9月9日に112歳で亡くなられたとの報道を目にしました。
2年前から国内最高齢男性だったそうです。112年と一口に言っても日にちに直せば40,880日、1日3食食事を取ったとしても122,640回、時間に直せば981,120時間という途方もない時間を過ごされたことになり、お疲れ様でしたとしか言いようがありません。
112年前というと明治43年。第1次世界大戦さえまだ始まっておらず、日本で初めて動力付き飛行機の飛行に成功、人物で言うとまだ徳川最後の将軍慶喜が存命だった年で、112年の歳月の長さを感じます。
そんな年に生まれた上田さんは、第2次大戦中は海軍に召集され、配属先の広島で原爆投下も目撃されたそうです。まさに歴史の生き証人と言える存在でしたが、ご本人にとって112年の人生はどのように感じられたのでしょうか。光陰矢のごとしと言われ、年を取るごとに1年が経つのが早く感じるとも言われていますし、案外112年という歳月もあっという間だったと思われていたのかも知れません。
さて、他に明治43年(1910年)にあったことを調べていたら、犬養毅らによって「立憲国民党」というどこかで聞いたような名前の政党が結成されたとありました。
党内は政府と厳しく対立しようとする勢力と、ある程度妥協しながらやって行こうとする勢力に分かれて対立し、結局12年後の1922年には解党してしまったとのこと。
政治の世界はなんだかんだで、100年以上前とあまり変わっていないのかも知れません。(アタリ)
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