第1084号 今度は退職金まで!?

 少子化対策、防衛増税、マイナンバーカードなど、問題が山積みのまま、通常国会は21日に閉会しました。

◆退職金控除が減らされる
 16日、岸田政権は日本経済再生に向けた「骨太の方針2023」を閣議決定しましたが、その中でいま話題になっているのが「労働市場改革」です。政府は年功序列賃金・終身雇用が日本の経済発展を阻害しているという問題意識の下、個人のスキルに応じた職務給(ジョブ型)の導入促進を目指す方針のようです。

 終身雇用見直しのためターゲットとされたのが退職金です。同じ会社に長期間勤務すると、より手厚い税優遇を受けられる税制を見直すとされていますが、これでは多くの人の退職金額が減ってしまうことが想定されます。つまり増税と同じことなのです。

 個人のスキルに応じて転職しやすい社会を作ることと、退職金減額によって無理やり長期雇用からの切り替えを狙うことは全く別の話です。これでは単に転職しないと増税すると言っているようなものです。

 これでは退職金を老後の生活の柱と考えて頑張ってきた中高年の方や、退職金ありきで家のローンを組んだ子育て世帯の方など、多くの方の人生プランが狂いかねません。
 
 終身雇用を見直すというなら、長く同じ会社に働いている人にペナルティを課すようなやり方ではなく、自らの意思で転職しようとする人を支援するやり方が採られるべきなのです。

◆それは弱肉強食だ
 スキルを磨いた人が転職によってより高い賃金を得られる社会を目指すことは間違ってはいません。しかし、雇用の流動化と不安定化は表裏一体であり、一概に長期雇用を否定し、転職を強要することになっては、失業者も増加するでしょう。

 また、会社が社員を長期的に育成するシステムが機能しなくなるため、新卒など、まだスキルを持たない若年労働者が職に就きにくくなることは想像に難くありません。若者たちを不安定な収入に追い込めば、政府が掲げる少子化対策は大失敗に終わるでしょう。

 しかも、日本には労働者のためのセーフティネットが存在しないので、いったん貧困に陥ると、生活を立て直すことが非常に困難です。生活保護は受給のハードルが高く、普通の労働者向けの制度ではありません。

 長期雇用を否定するだけでは、労働者が都合の良い時だけ集められ、必要がなくなれば一気に切り捨てられるということが日常茶飯事の、「全てが自己責任」の完全なる弱肉強食の社会となりかねません。果たしてこれが日本の社会になじむ、あるべき姿なのでしょうか?私はそうは思いません。

◆労働者目線の働き方
 総じて今回の「骨太の方針」は、骨太どころか国民生活を骨粗しょう症にさせかねない方針です。
 かつて、自由な働き方や、自己実現などという甘い言葉とともに、派遣労働者の規制緩和が行われましたが、結果として労働者は低賃金となり、リーマンショックのような不景気で職を失う労働者が続出しました。働き方改革は、常に企業目線の働かせやすさを基準に設計されてきたと思います。
 企業の目線で「働かせやすい」労働者ではなく、労働者の目線で安定した、希望の持てる労働市場を設計する必要があります。働き方とは、個々の労働者の生き方であることを心に留め、丁寧に論じなければなりません。

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スタッフ日記「ヤドカリ」

 奈良に戻ってきていつの間にか半年が経過しました。実は前に住んでいた東京の家はずっと引き払わずにいたのですが、東京に行く機会もなかなかないので、もういいかなと思い、引っ越しをすることにしました。

 家を引き払うとなると家財の処分や荷物の運搬など色々と作業が発生します。実は引っ越しを見据えて、少し前から家電やほとんどの家具は友達、それから姉や妹に譲っていました。

 なので、そんなにたくさん荷物もないし、小一時間あれば全部片付くだろうと甘い考えをめぐらせて作業にとりかかりました。

 すると、見たこともないような物や自分でもいつこんなもの買ったのだろうという物が出てくる出てくる…。1Kのひとり暮らし用の部屋ですが、あの手この手で収納を活用し、しまいこんでいた自分にすごいなと思いつつ、物を少なくしておけば、こんな時楽だったのに!と後悔の念を巡らせながら黙々と作業をしています。

 最近ではミニマリストという必要最小限の物だけで暮らす、そんなライフスタイルを選択する人が増えていると耳にします。本当に必要な物だけを身の回りに置くことで、かえって豊かさを享受しながら生きられるということらしいです。

 そこまでしっかりした思想をもって生きることはできないと思いますが、極力、物を買わず何かあった時に体一つで飛び回ることができる「ヤドカリスタイル」を身につけてみようかなと思います。

 もし私が欲に負けてムダな買い物をしそうになっていたら、きつく止めてもらえると助かります(笑) (テン)

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