第1090号 ガソリン、税金、二重取り

 ガソリン代の高騰が止まりません。7月31日の1リットルあたりレギュラーガソリン全国平均小売価格は、先週より1円90銭高い、176円70銭で、11週連続の値上がりが続いています。

 車を利用しない人はピンとこないかも知れませんが、ガソリンは物流のありとあらゆる場面で必要とされる経済の血液です。特に奈良のような車社会ではとりわけ必要なもので、ガソリン価格が上がると、経済も滞ってしまうのです。

◆リッター200円突破も!
 これほどまでの高価格は15年ぶりです。

 前回はリーマンショックの影響で、すぐに価格が下落したのに対し、今回は世界的な物価上昇の影響が強く、産油国側もサウジアラビアやロシアが原油の減産を表明するなど、今後、早期の値下げは期待できません。

 先日、岸田総理は初の外遊でサウジなど中東を巡りましたが、帰国後の会見で、価格高騰の大きな要因である原油高に対する取り組みや成果については何も発言しませんでした。

 このままだと来週にも平均180円台に突入し、近々200円の大台を突破するのではないかという予測も出ています。

 昨年来のガソリン高騰に対し、政府は原油の元売りへの補助金などでなんとか急騰に歯止めをかけてきましたが、ガソリン価格が下落すると考えていたのか、現在は徐々に補助金を縮小しています。

 予定通りなら9月末には全ての補助金が終了してしまいます。まだまだ値上がりが予想される時期の補助金終了は、消費者にとって痛すぎる出費増です。

◆デタラメのガソリン税
 これだけガソリンが高いのは、ガソリンをめぐる税の仕組みのせいでもあります。

 現在、1リッターあたりガソリン税は53.8円で、これが小売価格に含まれています。しかしここにさらに消費税がかかる「二重課税」になっているのです。

 皆さんがスーパーでお買い物をされる際、消費税は、商品の代金そのものに10%を支払う仕組みですが、ガソリンの場合は「ガソリンの値段+ガソリン税」に対して消費税がかかっています。

 ただでさえ高い税を加えられたガソリン代に、消費税を二重取りで上乗せしているデタラメな税制が私たちを苦しめています。結局ガソリン代金として支払ううち、半分は国に徴収されています。

 高度経済成長期に道路整備のための特定財源として導入されたガソリン諸税は、その後財源不足を理由として、本来の税率に加え、暫定的に税率が上乗せされていきました。時代の変化で、2009年に道路特定財源が廃止された後も、暫定的な上乗せ部分の税率は名を変えて残り、今に至ります。

 民主党政権時代には、ガソリン価格の平均が3か月続けて160円を超えた場合には上乗せ分を一時停止する「トリガー条項」を作りましたが、現在その発動は凍結されてしまっています。

◆こうすれば8円は下げられる
 半分近くが税金である以上、政策でガソリン価格を下げることは容易です。

 例えばガソリン価格に乗っている消費税を5%下げるだけで、今の水準ならリッター8円から9円は下げられるはずです。

 また、補助金も元売りではなく、ガソリンスタンドなど小売業者に販売額に応じて出す方がよほど価格を下げる効果が期待できます。

 国会は閉会中ですが、遊び半分としか思えない海外視察や、巨額の対外援助のための外遊ばかりにうつつを抜かしている場合ではありません。目の前の国民生活への対処を急ぐべきなのです。

 

スタッフ日記「なら歴史芸術文化村を訪ねて」

 最近よくテレビで放映されている「なら歴史芸術文化村」を訪ねてみました。

 5月には、上皇、上皇后陛下もおいでになられたとのニュースもありました。位置的には、古代の道「山の辺の道」に沿った石上神宮の南にあたる丘の中腹に昨年建てられた施設です。

 天理駅から直行バスが運行されていますが、当日はマイカーで行ったところ、日曜日だった為駐車場の待ち時間が予想以上にかかりました。

 会場は、奈良を訪れる皆様に、奈良の歴史・芸術・文化や対話を通じて新しい奈良
の魅力を知って頂きたいとの思いもある様で、文化財修復・展示棟、芸術文化体験棟、交流賑わい棟(地元の特産品・工芸品などの販売)、情報発信棟の四か所の棟に分かれています。

 特にメインの文化財修復では、神社、仏閣などの現状・修復について、分かり易い説明がありました。

 国宝の修復などは細かい作業で長期にわたり忍耐のいる大変な作業である事が分かりました。出来る限り昔のままの状態に修復し、それらを未来に引きつぐ事が大切な課題であり、そういった事を繰り返し行いながら、昔からの歴史を今日に、そして未来に伝承する大切な役割があるのです。

 また、古代の人が装飾品として身を飾っていたであろう、勾玉の、透き通ったブルー、グリーンそれを眺めているだけで、ロマンを感じます。

 古代に想いを馳せながら自動ドアを開け、館の後部の癒しの池を眺める。その前は駐車場待ちの長蛇の列、一瞬この光景はミスマッチ?と感じましたが、いや、これは現在、過去へのタイムスリップ状態ではと思える不思議な一日でした。(ムーミンママ)

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