5日、東京の新型コロナ新規感染者数は5000人を超え、全国でも1万5000人を突破してしまいました。
◆飲食店・若者の責任か?
第5波「デルタ株」による感染者数の増加スピードと、百貨店や学習塾などでのクラスター発生を見るに、もはや飲食店への休業・時短要請だけで感染を短期間に減少に転じさせるフェイズは過ぎ去った感があります。感染爆発が生じる前に十分なワクチンを確保し、接種を完了しておくのは政府の責務でした。検査の充実・医療体制の確保も同じです。それらの責務を果たさずに、甘い見通しで緊急事態宣言の発令と解除を繰り返し、飲食店や若者に感染拡大の責任を押し付けてきた結果が、この感染爆発と言えます。行動力もなく、言葉も空虚な政権が、今まで散々我慢してきた飲食店や若者をスケープゴートにして、ただ非難する手法で無用な反発と分断を招いているのが現状です。
◆責任放棄の自宅療養
感染爆発が止まらず、ワクチンの早期安定確保が難しい中では、せめて感染した場合の治療体制を確保し、少しでも患者の不安を和らげなければなりません。この点で、患者の入院につき、重症患者や重症化リスクの高い患者に限り、中等症や軽症者は原則自宅療養とするとした政府方針の表明は論外でした。批判を受けて慌てて中等症患者も原則入院とするとしたものの、軽い中等症では医師の判断次第で入院とされ、基準は明確ではなく、迷走は極まっています。コロナの特徴として、たとえ高齢者ではなくても急速に肺炎が進行し致命的になる例が見られ、中等症でも多くの人にとって今まででもっとも苦しい症状が出るとされています。大変な不安とリスクを抱える自宅療養に任せるのは、治療の責任を患者に丸投げする医療放棄に等しく、患者の医療を受ける権利を侵害するものです。
手の打ちようがないわけではありません。国立病院機構に属する公的医療機関への患者受け入れ要請など、医療資源をフル活用する手段は考えられます。そうしたあらゆる手段を試みるべきなのですが、医療行政の前例踏襲主義がそれを阻んでいると考えられます。
◆医療行政造り替えが必要
また、世界でも屈指の技術を持つ日本で国産のワクチンが未だ実用化されていないのも、長年インフルエンザワクチンの供給が少数の企業団体に限定され、寡占状態で新規参入を阻んできたことが遠因となっています。個々の患者の治療に目を向けることなく、利権の確保と前例踏襲という観点から進めてきた医療行政の行き詰まりが、コロナで次々明らかになっているのです。今回、政府が入院方針の発表を尾身会長に事前相談しなかったという事実は、分科会が政府の下請け機関に過ぎないことを表しています。
これらは行政に長年に渡りこびり付いた悪癖で、残念ながら今の政権下で改善は不可能です。公的病院の活用など、この感染状況で今出来る具体策を提案するとともに、より抜本的な医療行政の造り替えを政権交代で実現するほかないと考えています。
スタッフ日記「4年に一度の大舞台」
先日、沖縄、東京に加えて埼玉、千葉、神奈川、大阪に緊急事態宣言が出されました。急速な感染者の増加は不安ですが、テレビでは連日オリンピックの白熱した戦いが繰り広げられています。選手の皆さんが全力で挑む姿や、すばらしい激戦に、毎日一喜一憂しながらテレビ観戦を楽しんでいます。
初挑戦の人、前回のリベンジを目指す人、連覇を目指す人、それぞれが思いを背負いながら練習を積み重ね、そしてこの大舞台で戦っています。今回は開催が1年延期になり、モチベーションを保つことは大変だっただろうと思います。
東京オリンピックの競技数は33競技、そのうち今回、空手、スケートボード、スポーツクライミング、サーフィンの4競技が、初めてオリンピック種目となりました。日本勢の活躍が続いており、前回のリオのメダル数を超えました。中でも新種目のスケートボードでは、日本勢のメダルラッシュに沸いています。守りにはいらず果敢に挑戦している姿は、かっこいいです。また、今大会では野球、ソフトボールが復活しました。ソフトボールは金メダル、野球も決勝進出を決めました。
オリンピックは、どこか選挙に通じるところがあります。戦いが終わった時点からまた次の戦いに向けての日々がはじまります。その長い期間(基本4年間)をどのようにすごしていくか。いかに気持ちを切らさずに練習(活動)を繰り返し、積み重ねてゆくことができるか。そして4年後その真価が問われます。
秋には、いよいよ衆議院選挙が行われます。気を緩めずにコツコツと。勝利をつかむその日まで。 (まあちゃん)
The post 第995号 感染爆発下の医療確保 first appeared on 馬淵澄夫(まぶちすみお)奈良県第1区選出 衆議院議員.