第938号 通常国会を終えて

 17日、150日間に及んだ通常国会が閉会しました。

◆政権の末期症状
 先の国会では、総理主催の「桜を見る会」での公職選挙法違反疑惑の噴出、自民党議員の逮捕に端を発した「カジノ利権」の発覚、消費税増税後の記録的な景気悪化、そしてコロナ禍での対応の遅れと、いよいよ安倍政権が末期の様相を呈してきました。

 総理としては、この苦境から逃げるためには、国会を閉じるしか道がありません。継続したコロナ対策審議が必要なことは明らかで、野党は「国会を止めるな」運動を展開しましたが、残念ながら総理の意向を忖度した与党に押し切られ、内閣への不信任案提出すら出来ずに閉会を漫然と受け入れた野党の力の無さが露呈しました。このままでは野党の存在意義が問われます。

◆国対政治の限界
 共同会派の一員となって予算委員会メンバーとして初めて臨んだ通常国会でしたが、この国会で強く感じたのが、国対によるイシューセッティングの徹底でした。確かに野党が二年ぶりに一枚岩となって闘う国会だったので、以前のように立憲・国民・無所属とバラバラで質問していては与党を利するだけであり、共同会派として一体的に徹底した論点追求をすることは適切な対応です。

 しかし、あまりにもマスコミに取り上げられるか否かに偏向し過ぎ、大きな視点での質問がなされなかったのは大変残念です。「桜」の反社会勢力参加の有無に始まり安倍総理の「前夜祭」、現職議員の逮捕による「カジノ疑惑」、「黒川検事長定年延長問題」、「コロナ対策とその失敗」と猫の目のようにくるくると争点が変わり、連日、ワイドショーを賑わせました。

 しかし、根本的な経済政策や米中問題など肝心の国家の行く末を議論する場面は、全くといって良いほど、ありませんでした。むしろ、そういった質問を準備していると質疑の機会を失うといったことも多々ありました。争点設定は国対も重要ですが、政調や党の大方針を示す大事な局面でもあり、国対一辺倒の国会の危うさを、垣間見ました。

 日程闘争もそうですが、国対はあくまでも国会の運営における司令塔であり、政策やイシューセッティングは、党の中枢の課題であることを考えると国対政治の範疇を超えて、限界を露呈したと思います。

◆充実した国会活動
 私自身の国会活動は、開会直後から予算委員会での質疑を重ね、消費税増税による景気の悪化を指摘するとともに経済政策の方針転換の必要性を訴え、さらに制度に構造上の問題を抱えるカジノ事業見直しの要求を行いました。並行して、国土交通委員会において、疲弊する地域公共交通の活性化や、水害の季節に備えての防災対応、都市周辺における農地確保問題等について質疑を重ねました。本会議での代表質問を含めると質疑回数は9回に及び、多くの問題意識を政府にぶつけることが出来たと思います。

 そして6月3日には国民民主党に入党し、政党人としての活動をスタートさせました。消費税減税研究会も引き続き進めています。コロナ禍の中、なかなか地元には戻れない日々が続いていましたが、国会閉会中は出来るだけ地元を回り、皆さまの声を伺いながら、閉会中のスポット審議や、秋口からの臨時国会での論戦に備えて参ります。

 

スタッフ日記 「新しい教育へ」

 日常活動が再開され、朝の駅頭でも通勤客が戻りつつあります。そして時より、久しぶりとなった友達との再会に元気よく登校するランドセルを前にすると、こちらも少しばかり元気をもらった気持ちになります。

 新型コロナウイルス感染拡大に伴う休校の長期化によって、青空の下で行われた入学式から2ヶ月が過ぎ、いま教育の現場では、コロナ後の教育のあり方について様々な議論がなされています。どんな環境においても、子どもたちに学びの場を最大限確保していくため、ネット授業をはじめ動画配信サイトのユーチューブ等を取り入れた新しい教育が注目されています。

 奈良市や生駒市でも、オンライン教育支援の迅速化と学びの場確保の対策として、今年度中に公立学校全児童へ一人1台のPC端末を整備する予算が進んでいます。しかし、保護者の声として、学習の遅れが懸念された際にこれまで詰め込み型の学習を進めてきた古い体質の教育委員会もあり、その腰は重く、当事者である子どもたちの声をいかにして届けていくか、様々な声がSNSで広がりつつあります。

 さらに、国の方針としてもPC端末本体に関しては予算化されていますが、その他の環境整備などは各都道府県による負担となるため、結果として住む地域によって、すでに支援策の差が生じているのも事実です。

 今回に限らず、全国どこでも自然災害が起こりうる昨今、集団で集まることが困難な状況がすぐそこにあると危機感を持ち、公平な教育の継続ため、子どもたちに学びへ向かう気持ちをどう持ってもらうか、政治が果たすべき力も大きいと感じます。(特命係長)

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馬淵澄夫
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