第892号 参院選を振り返って

 21日に投開票された参院選は、与党が71議席、野党系が53議席と、与党が過半数を確保しましたが、総議席数で憲法改正の発議に必要な3分の2は下回る結果となりました。

◆与野党ともに現状維持
 与党が勝利した今回の選挙ですが、その結果を詳細に見ると、3年前の参院選の結果とほぼ変化はありません。前回選挙は与党が70議席、野党系が51議席で、獲得議席は今回とほぼ同じです。また、比例票は、得票率で、自民党がどちらも35%台で、野党も、3年前の民進党が21.0%、今回の立憲民主党と国民民主党の合計が22.8%と大差ありません。

 民進党時代に比べ立憲、国民の合計の獲得議席は32議席から23議席へと減少しましたが、比例獲得議席は3年前から変わらず11議席で、選挙区で9議席減らしています。これは、今回は野党系無所属候補が1人区で8議席を獲得して、前回の4議席から倍増したことが影響しています。

 つまり、今回の選挙では、政党の公認を得ずに無所属で立候補した野党統一候補が1人区で多く当選した結果、各野党公認の当選者が減少したに過ぎず、トータルで野党は前回とほぼ同じ勢力を維持したと言えます。

 ここから、野党統一勢力への期待は決して小さくなっているわけではないものの、やはり全国的に与党と互角以上の戦いをするまでには至っていないことを感じています。

◆奈良での野党共闘
 奈良県においても、野党共闘は一定の成果を上げたと考えています。西田一美候補には219,244票を頂きましたが、日経新聞の公表した選挙分析によると、野党統一候補として闘った32の1人区で、奈良県の野党共闘効果は全国で5位ということです(参考:日本経済新聞参院選2019データ分析)。

 その意味で、共闘効果は十分にあったと言えますが、1位愛媛から次いで滋賀、秋田、山形と全国4位までは議席を獲得しており、当然、条件が全く違うことを踏まえつつも、結果の違いが何によるものかをよく精査する必要があります。また、出口調査で明らかとなった、与党票の切り崩し、無党派層の獲得が不十分だったことも、敗因として分析しなければなりません。

◆野党共闘、その先へ
 今回の参院選は、年金問題、消費税増税の是非と、国民生活に直結する大きな争点があったにもかかわらず、投票率が過去2番目の低さとなる48.80%にとどまりました。

 この低投票率に終わった大きな原因は、野党がリアリティのある統一的な対案や、今後の政権奪取構想を十分に提示できなかったため、議論が盛り上がりに欠け、選挙への関心は高まらず、「棄権」という態度を示した有権者が多かったのだと思います。

 野党統一での戦いの先に、バラバラな野党がどうなっていくのかの見通し(ビジビリティ)を明らかにしない限り、有権者の政治への関心を取り戻すことは出来ません。

 野党統一候補の、その先を、どうするのか。このことが、2012年の民主党下野以来、野党は問われ続けています。年内解散もささやかれる中、野党系無所属議員として、答えを提示すべく行動し続けます。

 

スタッフ日記「小さな町の大事件」

 神奈川県愛甲郡愛川町。最近耳にされた方もいらっしゃるのではないかと思います。

 そう、6月に刑務所に収容されるはずだった男が刃物を持って逃走した町です。今は離れていますが、愛川町は私が育ったところ、そして逃げたのは通っていた小学校のすぐ脇、という私にとってゆかりの深い事件でした。

 神奈川というと皆さん「都会」というイメージをお持ちになりますが、我が愛川町は山と川に囲まれた電車のない小さな町です。海もありません。関東最大規模のダムを抱えていて、横浜や川崎など都会の皆さんの暮らしや産業を支えていますが、当の都会の皆さんは同じ県内なのにも拘らず「愛川町」と言ってもなかなかピンと来てはくれません。

 そんな、ありていに言えば地味、よく言えばノンビリした町の名前がテレビのニュースで流れるのだから驚きです。しかも犯人がなかなか捕まらず、報道は過熱するばかり。中継の映像を見てちょっと懐かしさを覚えつつも、地元にいる同級生は大丈夫かな?と心配になったり、何しろ山だらけなので、隠れるならどこだろう?と想像したりしていました。

 幸い犯人は5日後に海沿いの街で捕まりましたが、これで「愛川町」と言えば「逃走事件の!」と言われるようになってしまいました。不本意です。

 以前使っていたキャッチコピーが「都心に一番近い愛(らぶ)のまち」、そんなユルさはありますが、ホタルも見えてキャンプもできる、牧場もある、いいところなんですよ…。(シズ)

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馬淵澄夫
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