13日、私は政治改革に関する特別委員会で質疑に立ち、選挙執行経費法案について総務大臣を質しました。
◆投票所が早く閉まる
まず取り上げたのは、投票所における投票時間短縮問題です。公選法40条1項では「投票所は、午前7時に開き、午後8時に閉じる」と定めていますが、近年の選挙では、投票時間を繰り下げ、又は繰り上げる自治体が増加しています。昼間に外出して、夜に投票所に行ったら閉まっていたという例が多発しているのです。
言うまでもなく、選挙権行使は憲法上保障された基本的人権であり、安易な制約は許されません。
昨年10月執行の衆議院議員総選挙で、投票所の開閉時間の繰り上げ又は繰り下げを行った投票所の総数は、全45,429か所中、17,813か所、3年前の参議院議員通常選挙は全46,025か所中17,252か所であり、実に4割近い投票所が投票時間を短縮しています。
本来、時間短縮は例外規定として「特別の事情がある場合」に限られるものです。
短縮の理由として、夜は投票数が少ない、投票日以外にも期日前投票制度により投票の機会があるということが挙げられますが、期日前投票による投票数増加と引き換えに、投票日の投票時間を縮小するのは本末転倒です。
期日前投票で代替されているとするなら、法改正を行い、投票所立会などの実務軽減を図るために「投票日は午前9時から午後5時まで」として例外を安易に増やすことを止めるべきです。 ここ数回の国政選挙では、投票率は過去最低レベルが続いており例えば2時間投票時間を繰り上げることにより、どれほど投票率が変化したのか等、詳細な分析を行うなど、証拠に基づいた有権者の投票の機会を確保すべきです。
◆SNS暴走を規制すべきか?
もう一点、最近の選挙の課題として注目を浴びるSNS規制も取り上げました。昨年、兵庫県知事選挙を始めとして多くの選挙で、候補者に関するフェイクニュースや誹謗中傷動画の拡散が問題となりました。こうした動画の拡散は、有権者の選択を惑わせ、選挙の公正性を歪めますし、選挙動画でアクセスを稼いで収益化するのは、選挙を金儲けの道具とすることにつながります。
現状、SNSを使った偽情報や誹謗中傷に対して、名誉毀損として刑法違反に問うことや不法行為に対する損害賠償などの対応が考えられますが、ハードルは高く、決定的な対策ではありません。
また、選挙に関して動画サイト等から収益を得ること自体を禁止する法令もありません。かといって、国が過度な規制をかけるのは、検閲にもつながりかねず、難しい問題です。
一つの視点としては、選挙活動の収益化を排除する仕組みを作れば、フェイクニュースや誹謗中傷でアクセスを稼ごうとするインセンティブは低下するということです。
たとえば、国立情報学研究所(NII)において、フェイク顔映像を自動検出するプログラム「SYNTHETIQ VISION」が開発されています。こうした技術を普及させ、SNS事業者に自主的な対策を促すことが、現実的な対応だと考えます。
このような技術開発に助成をしたり、システムへの実装に何らかのインセンティブを与えるような施策が今後必要になると思います。
◆選挙のあり方を問い続ける
その他にも、選挙経費の無駄遣いという観点から、候補者に対し対面での申請や審査を要求し続ける選挙管理委員会の業務の非効率性を指摘し、都道府県と市町村の選挙管理委員会の業務連携などを主張しました。
選挙のあり方は、その国の民主主義の在り方を決定する重要な問題です。より良い選挙制度を目指して、政治改革特別委員会でも、引き続き選挙制度のあり方を問うていきます。
スタッフ日記「コンクラーベ」
世界約14億人のカトリック信者の頂点に立つ新ローマ教皇を選ぶ選挙が行われ、第267代教皇にロバート・フランシス・ブレボスト枢機卿が選ばれました。
アメリカ合衆国出身では初の選出で「レオ14世」と名乗るそうです。
コンクラーベとは、教皇選出の方法の全てを言い表す言葉だそうです。教皇が任命したカトリック教会の重要な地位を占める「枢機卿」、激務ゆえ80歳以下で今回は133名で投票を行い、三分の二の得票を得るまで繰り返し行われるそうです。 その間は、外部との接触をたち、携帯・テレビ・パソコン・新聞などを見ることが出来ません。
今回は通信機能を持つ腕時計を没収された枢機卿が複数名いたそうです。コンクラーベが行われたシスティーナ礼拝堂の屋根には煙突が設置され、投票で選ばれれば白い煙、そうでなければ黒い煙が出るそうです。何万人もの信者がそれを見つめ一喜一憂する様子がテレビに映し出されていました。4回目の投票で白い煙が上がり、新教皇にレオ14世が選出されたそうです。不思議に思うのは、たった4回の選挙で133票の三分の二票を獲得することが出来たことです。私は、少なくとも一週間はかかるんだろうなと思っていました。そこには新教皇を少しでも早く信者にお披露目しなければとの思いがあったのかなと思います。
サンピエトロ大聖堂のバルコニーから「対話と出会いの橋を架けましょう」また、記者会見では「戦争は容認しない」と発言されています。世界各地で頻発する武力行使に強い影響力を発揮していただきたいと思います。 (スギ)
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第1178号 SNSと選挙

13日、私は政治改革に関する特別委員会で質疑に立ち、選挙執行経費法案について総務大臣を質しました。 ◆投票所が早く閉まる まず取り上げたのは、投票所における投票時間短縮問題です。公選法40条1項では「投票所
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