第1196号 高市総裁と「次」の内閣

4日に高市早苗自民党総裁が選出され、自民党内人事が行われましたが、新しい政権の形はなかなか定まりません。自民党と各党間では連立に関する協議が続いており、当初15日にもと言われていた首班指名を伴う臨時国会の召集は、20日以降にずれこむ可能性が濃厚になってきています。

 

派閥政治の再来か

首班指名、組閣に先駆けて高市総裁が発足させた自民党新執行部は、さながらかつての「派閥人事」を思わせるような顔ぶれでした。麻生太郎副総裁を始め、鈴木俊一幹事長、有村治子総務会長と、党の主要ポストは、高市総裁の「後見人」たる麻生氏が率いる派閥メンバーによって構成されています。また、2728万円に上る裏金が発覚した萩生田光一氏が幹事長代行に就任するなど、裏金問題を反省した解党的出直しどころか、麻生派という派閥が中心となった、古い自民党の長老政治が戻ってきた感さえあります。

さらに、麻生副総裁は約9年間、鈴木幹事長は約3年間、2人合わせて12年もの長期にわたって財務大臣を務め、今の税制、経済政策の根幹を作ってきた人物です。積極財政への転換を唱える高市総裁の意向に沿う党運営がなされるのか、財務省との関係が重視され、従来の路線が継承されるだけではないかとの疑念も湧いてきます。

石破総理は総裁選前には長年の持論であった改革を唱えながら、結局、総裁就任後は党内のしがらみと各方面からの干渉で、自民党の体質に切り込めず、ほぼ何も出来ないまま退陣に追い込まれました。自民党新体制を見る限り、高市総裁も独自色が出し切れないままの党運営を余儀なくされる可能性があると思っています。

 

続く与野党協議

政権の枠組みに関して、編集時点(10日)では、まだ次の政権の枠組みは未確定です。メディアは、すでに次の総理が決まったかのような騒ぎですが、これまでのように自民党総裁イコール内閣総理大臣という時代ではありません。自民党は単独では、衆院465議席中、196議席を有するに過ぎず、単独で首班指名を強行しようとしても、野党が複数でまとまれば、総裁が総理に選ばれない可能性もあるのです。

よって、高市総裁が新総理に指名されるためには、公明党が自民党との連立を続けるのか、国民民主党が自民党と連立を組むのか等、党と党との関係を明確にしておく必要があり、それなしに組閣には入れませんが、交渉は難航しているようです。すでに3か月近くになる政治空白をこれ以上続けることは許されません。総理指名を受け組閣するつもりであるならば、高市総裁は責任を持って早急に連立の形を示す責任があります。

 

◆連合政治の段階に入った

仮に、このまま今の枠組みを続けて高市内閣が発足したとしても、衆参両院で少数与党が続くことから、補正予算はじめ種々の政策を実現するためには、その都度野党の協力が必要なります。連立だけで物事は決まらない、与野党協働の連合政治の段階にすでに入っているのです。

高市総裁もこの変化に合わせ、他党の協力を得るため、従来の強硬な主張は封印しつつあります。ガソリン減税など、すでに与野党が合意している事項は、連立の枠組みとは別に早急に実現する必要がありますし、連立政権に加わる意思の無い野党でも、積極的な政策提案が政府に採用される可能性も出てきています。首班指名、組閣までにはまだまだ波乱がありそうですが、浮足立たずに、各党が実現したい政策に磨きをかけ、提案していく時期だと思っています。

 

スタッフ日記「ドイツの喫煙事情」

夏も終わり、涼しい日が増えてきました。大学も秋学期がスタートし、国会では高市新総裁の誕生や臨時国会、世間ではハロウィンやクリスマスなどイベント尽くしの季節がやってきました。忙しない日々から目を背け、少し夏休みの思い出に浸ろうと思います。

夏休み、僕はドイツとイギリスに旅行してきました。移民問題が世界的に話題になり、特にイギリスの治安については心配していました。ですが、治安よりも驚かされたのは若い人の喫煙者の多さです。

僕が訪れた州では、物凄い美人やハンサムな人でも紙タバコや電子タバコを吸っていました。若い人が吸うだけなら問題ないのですが、ドイツは路上喫煙・歩きタバコが認められているので、屋外の喫煙室というのは存在しないのです。そうすると街を歩いている時、レストランの屋外の席で食事している時、受動喫煙してしまうというのも珍しくないのです。さらには駅前にいる警官も仕事中にタバコを吸っています。そんなに喫煙者がいるなら路上に吸い殻が多く捨てられていると思うかもしれませんが、路上にゴミ箱が設置されており、街は綺麗に保たれています。

日本にいたら受動喫煙は迷惑極まりないと思うだけかもしれませんが、ドイツではこれが普通なのだと肌で体験しました。アインシュタインは「常識とは18歳までに身につけたコレクションでしかない。」と言いましたが、新しい常識を集めていくのも悪くありませんね。           (逃げ恥)

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