政界は長引く自民党総裁選のため政治空白が生じ、政策実現のための各党協議も前に進まない状態です。
新総裁が選ばれれば一気に状況は変化するという予測もありますが、少数与党である限り、誰が選ばれようが、今までのような自民党政治では立ち行かないことは明らかです。
◆連立よりも連合
メディアは、自民党がどこの党と組むのか、連立政権の枠組みはどうなるかを総裁選候補の主張と結びつけ、もっぱら今後の政界の焦点として報じています。
しかし、私は、党と党との関係について、政権の枠組みだけに注目した「連立政権」ではなく、柔軟な対話による政策の実現としての「連合政治」が今後の政治を語る上で重要になっていくと考えています。
つまり、自民党を中心とした与党と、それと対立する野党の立場が固定化され、事実上政権と一体化した自民党の意向で予算が確保され、法案が成立する時代から、あらゆる政治の場面で多党間の合意が必要な時代に入るということです。
政治とは3つの要素から成り立っています。政権・国会・選挙です。今までは、政権の形が決まれば、ほぼ自動的に国会内の対立構造も、選挙の候補者の構図も決まってきました。
しかし、これからは、連立政権に参加しなくても政策の実現において主要な役割を果たしたり、一方で、国会内で他党と協力したとしても、選挙では競合したりすることが普通の時代に入ると考えています。
この3つの要素で、各政党が合意できるところは合意し、政策の実現などを前に進めて行く。 譲れないところは対立し、選挙でも競い合う。こうした多党共存政治が、政治の流れとなるでしょう。
◆世界の趨勢は多党化
多党化は世界の趨勢でもあります。議会制民主主義国家の元祖で、保守党と労働党による二大政党制の典型とされてきたイギリスでも、2024年の総選挙では、第3党の自由民主党が650議席中72議席を占め、第2党の保守党121議席に次ぎ存在感を示すとともに、第4党以下10政党が議席を得るなど、小党乱立の時代に入っています。
アメリカでは共和党・民主党の二大政党制が形式上維持されているものの、トランプの政策は伝統的な共和党の穏健保守とは異なる急進的なもので、事実上の新勢力と言えます。
ヨーロッパでは多党化が標準です。最近内閣が崩壊したフランスは小選挙区制ですが、10以上の会派が拮抗して議席を有しており、少数与党で、最大の会派は野党でした。
ドイツでも第1党と第3党が連立協議を進め合意しするなど、多党化に対応した政治が行われています。
日本だけが多党化の流れに抗うことはもはや不可能な時代です。
◆連合政治に向けた私の役割
多党化に対応した連合政治は、候補者のうち1人だけを選ぶ小選挙区制では成立しないのではないかという考えもありますが、完全小選挙区制のイギリスの例を見ても十分に可能です。
考えの多様化の中、政策が完全に一致する政治家を有権者が見出すのは難しくなっています。
比例と小選挙区を並立させる日本では、人物重視で小選挙区の候補を選び、比例では政党の政策を重視するといった投票も可能で、多党化の土壌も整っています。
多党間が部分部分で協力し、また対立しながら政治のあり方を模索し、合意形成を図っていく「連合政治」が進んでいけば、その先には政界再編があるかも知れませんし、連立の組み替えもあるかも知れません。
私も党代表代行として、今後は他党との協議を中心に党務を行うことを期待されていると自覚しています。
次の国会以降、連合政治の実現に汗をかくことになると感じています。
スタッフ日記「おいでもんせ鹿児島へ」
鹿児島と聞いて、皆さんは何を思い浮かべますか?桜島や黒豚、焼酎が出てくるかもしれません。今回は、私の地元、鹿児島に関するお話です。
私は大学進学を機に奈良市に来たのですが、まず驚いたのは交通の便の良さです。鹿児島では基本的にJRのみで、電車は1時間に1本、1両編成ということも珍しくありません。地元の最寄り駅はホームが1つ
の無人駅で、バスもほとんどありません。
そのため、電車の時刻表を確認せずに出かけることはできません。先日帰省した際、友人と時刻表を見ずに出発してしまい、慌てました。すっかり都会の感覚に慣れてしまったようです。
さらに、県外にも簡単に行くことができます。鹿児島では旅行でしか県外に出ることはありませんが、奈良からは電車で1時間以内に大阪や京都へ行くことができます。行きたい場所が次々と見つかり、まだまだ遊び尽くせそうにあ
りません。
食文化についても、鹿児島特有だったのかと気づくことがたくさんありました。
例えばヘチマです。多くの人はスポンジやグリーンカーテンとしてご存知だと思います。鹿児島では食材として親しまれており、味噌汁などに入れて食べます。また、鹿児島では鶏刺しがスーパーで普通に販売されています。鶏肉は食中毒のリスクが高いため、飲食店でしか食べられないと思っていた方も多いかもしれませんが、鹿児島では家庭でも気軽に楽しむことができます。
大学で様々な県出身の人と出会い話す中で、これは地元特有だったのかと驚くことが数多くありました。皆さんもぜひ、「実は奈良だけ!?」というものを探してみてください。 (アイラミスト)
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第1193号 連合政治時代の幕開

政界は長引く自民党総裁選のため政治空白が生じ、政策実現のための各党協議も前に進まない状態です。 新総裁が選ばれれば一気に状況は変化するという予測もありますが、少数与党である限り、誰が選ばれようが、今までのような自民党政治
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