第1206号 臨時国会を終えて

17日、臨時国会は会期末を迎えました。年内の国会日程は終了し、噂されていた年内解散もひとまず遠のいた形です。

 

高市政権発足と国会審議

高市政権発足後初の臨時国会は、本来議論の中心になるべきであった物価高対策は不十分で、政治とカネの問題解決も先送りされました。そして、終盤にかけての衆院定数削減法案をめぐる混乱や、総理の不要な発言に端を発した日中外交問題、そしてデマ交じりの野党への誹謗中傷などで議員たちが委縮したこともあり、国会審議が全体的に低調に終わりました。質問をする者が悪いというおかしな理屈で国会議論自体を封殺しようとする風潮が一部に見られたことは、国会による行政監視機能そのものを失わせかねない深刻な事態です。

一方、自民党は維新との連立や維新を除名された議員等を取り込んだことにより、与党として衆院過半数を回復し、高市内閣への高支持率にも押され、補正予算や法案審議で強引な国会運営が目立ちました。

特に、本丸の企業団体献金の規制が自民・維新によっていつのまにか定数削減問題にすり替えられ、しかも削減の話し合いがまとまらなければ与党案が自動成立するという国会軽視の法案が提出されたため、献金規制まで先送りになってしまったことは残念です。その上、野党に先送りの責任をなすりつけようとする与党の責任転嫁の姿勢は呆れるばかりです。

高市内閣は依然として高い支持率を保っていますが、それは漠然とした期待感によるものです。経済政策の舵取りを誤り期待感が萎めば一気に支持率下落の可能性があり、また、維新との連立合意が今後遵守されるかも怪しく、高市内閣は薄氷の上に立っていると言えます。

 

物価高対策の評価

物価高対策として高市政権が打ち出した21兆円に及ぶ経済対策の内容は、従来の自民党政権が採ってきた補助金、大企業優遇の投資を額だけ膨らまして引き継ぐ形でした。国民の多くが望んだ消費税減税は撤回され、防衛力強化のための所得税の増税を27年1月から実施する方向で調整を進める方針とも報じられています。これでは既得権層を喜ばすだけで、生活の苦しさの改善は困難です。

立憲民主党は、高市政権の補正予算案は即効性のある家計支援が不十分であると考え、中・低所得者への現金給付や光熱費支援の延長、医療・介護・障がい福祉の支援拡充など1.4兆円の歳出増を行う一方、基金積み増しや緊要性に乏しい防衛経費など4.5兆円を削減、さらに、既存基金から1兆円を繰り入れ、特例公債4.1兆円を削減する修正案を提出しましたが、残念ながら否決されました。他野党の中には政府案に賛成する党もありましたが、安易に賛成することなく、立民としての対案をはっきりと示せたと思います。

 

年始国会に向けて

年内の解散は見送られ、物価高の更なる進展、日中関係の悪化など、課題は山積しています。年が明けても早々に解散総選挙を行っている余裕は無いでしょう。1月は例年通り通常国会が開かれることが想定され、招集日は1月23日との情報も流れています。通常国会では、いよいよ来年度の本予算が審議されます。次の国会が、高市内閣への評価を決定づけるものとなるでしょう。予算の概算要求総額は、各省庁からの合計で過去最大の122兆円超に上りますが、重要なのは総額ではなく、その中身です。既得権層の優遇や格差放置では、積極財政の意義はありません。家計の直接支援、即効性、不要な予算削減という原則を掲げ、高市政権と対峙していきます。

 

スタッフ日記「熊」

12月12日、今年2025年の世相を表す漢字が京都の清水寺で発表されました。「熊」が23,346票で1位、「米」が180票の僅差で2位となったそうです。

ともに連日テレビで報道され、1位の「熊」は、人身被害や死傷者数が過去最多となり、市街地など生活圏での目撃情報でイベントの中止、学校の休校など、市民生活に深刻な影響を及ぼしました。

政府も「熊被害対策パッケージ」を取りまとめ、ついには自衛隊が出動する事態となりました。

2位の「米」は、米価の高騰、備蓄米の放出など、連日マスコミを賑わせた事から、180票の僅差はさもありなんと納得出来ました。

こんな話を書いていると、ジャイアントパンダ(大熊猫)返還のニュースが飛び込んできました。上野動物園の「シャオシャオ」「レイレイ」2頭の1月返還が発表されました。今年6月、白浜アドベンチャーワールドから4頭が返還され、来年1月末には国内での飼育はゼロ頭となってしまいます。

台湾をめぐる中国の対日対応には違和感を感じますし、日本の子供たちやパンダファンをガッカリさせるようなことは、決して行って欲しくないと思います。

熊の話はこの程度にして、私の大好きなスポーツの話題です。来年度はビックスポーツが目白押しです。2月には、冬季オリンピックがミラノ・コルティナで開催されます。 カーリング女子の予選突破や、スノーボード、スピードスケート、フィギュアスケート等楽しみな競技が目白押しです。侍ジャパンが連覇を狙う世界大会WBC、夏にはFIFAワールドカップがカナダ、メキシコ、アメリカで開催されます。

そして何といっても我が阪神タイガースの2連覇。たまりませんなぁ。      (スギ)

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