第951号 中小企業を守るために

 長引くコロナ禍により、特に中小企業の経営状況が悪化しています。新型コロナに関連した企業倒産件数は累計で500件を突破しました。自主的な廃業も相当な数に上っています。解雇や雇い止めも6万人を超えて急増しており、雇用危機が迫っています。

◆猶予は問題の先延ばし
 苦境が続く中小企業に対して、政府は税制面での支援として納税の猶予を認めています。そこで考えたいのが、減税研究会でも議論がありましたが、事業者が納税猶予に殺到している状況についてです。

 納税の猶予はあくまで一時的に税を徴収しないことに過ぎず、いわば事業者にとっては支払い負債が積み上がっていくだけです。コロナ禍が続き、事業に展望が持てない中では、一時的に納税を猶予されたとしても、問題を先送りしているに過ぎません。結局来年には税を支払えず、倒産する中小企業が続出するというのが、税の現場の声です。

◆中小企業と消費税
 実は中小企業にとって重荷になっている最たる税は消費税です。企業は、消費者が支払った消費税分をそのまま国に納めるだけではないかと思われるかもしれませんが、消費税の仕組みは全く異なっています。消費税が8%から10%になった時、2%分以上値上がりした商品がある、もしくは値段据え置きの商品があると思われた方も多いでしょうが、企業は消費税率にかかわらず値段を自由に設定することができます。

 消費税は、企業の売り上げ高から仕入れ経費を引いた額に対して10%が課せられる税で、企業が支払う税であり、赤字でも納めなければなりません。中小零細企業など、価格に転嫁を簡単にできない企業にとっては大きな負担となる税なのです。そして、その経費に正社員に対する給与は含まれない一方、派遣労働者や外注の下請けへの報酬は経費に含まれます。つまり、労働力を正社員から派遣労働者や下請けに切り替えるほど仕入れ経費となり、企業が支払う消費税額が少なくなるという仕組みになっています。

 これでは企業は、できるだけ派遣労働者や下請けを使って仕入れ経費とし、逆に正社員を減らして消費税がかかる人件費を圧縮しようとするのは当然です。人件費が大きな割合を占める中小企業では尚更です。平成の30年間を通じて、正社員から派遣労働者への雇用形態の変化が進んだのは、消費税が大きく関係していました。この点で、消費税は正規雇用を破壊してきた税と言うことができます。消費者のみならず、企業、特に中小企業にとって大きな負担となる税、それが消費税の本質なのです。

◆中小企業対策減税を
 消費税が正社員の雇用を維持する点で重荷となっている現状で、コロナ禍と消費税10%の負担から中小企業と労働者の雇用を守るためには、納税の猶予では足りず、前年度の消費税納税額に応じた緊急給付金のような措置と合わせ、消費税減税に踏み込むしかありません。安倍政権の基本方針を引き継いだ菅政権では、減税策は期待できません。企業視点にも立った消費税減税を選挙で掲げられるよう、政策を練り込んで参ります。

 

スタッフ日記 「9月の連休」

 Go Toトラベルも10月1日から東京都も含まれ国内の観光地も少しは人が戻ってきたでしょうか。さて「わが町・奈良」はどうでしょうか?昨今は諸外国からの観光客を中心に賑わってきた奈良、そのニーズに合わせ様々な商売のスタイルが変わってきました。

 私の父は昭和40年から土産物製造販売を営み市内の土産物店に商品を卸しておりました。思い起こせば小学生の頃はそんな父の配達によくついていっていたのを覚えています。ホテルや旅館、商店街の土産店や大仏殿には畳1枚ほどの場所で土産を販売する「行商のおばちゃん」と呼ばれる方が商売されていて、当時はその景色が奈良の良さだと感じていました。

 記憶では当時の観光客には外国人はごく一部。おそらく国内の観光地は日本国内の観光客で賑わっていました。国内の観光客だからこそ全国津々浦々、その土地独自の土産品や工芸品、ご当地グルメが目立っていました。

 先日、東向き商店街を歩いて久しぶりに奈良の土産物店に入り商品を見ていると、京都から遊びに来たという数名が「いつから八つ橋が奈良の土産物になったん?」とお店のレジ係の方に聞くとレジ係の方が「昔からです」と答え、客は何も買わずにお店を出られました。

 良いも悪いもコロナの影響で昔のように国内での観光が見直され、古都奈良には奈良の良さがあると思います。その良さを大切にすればコロナ禍も乗り切れるはずです。まだまだ国内には素晴らしい観光地がたくさんあります、ウイズコロナ、少し慣れてきた今の生活スタイルの中で楽しい休日を過ごせればと思います。(よっちゃん)

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馬淵澄夫
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