第967号 コロナ法罰則は有効か?

 22日、政府はコロナ関係法改正案を閣議決定しました。その中でも政府の命令に従わなかった場合の罰則規定の是非が大きな争点となっています。

◆感染防止にならない懲役刑
 罰則の中でも特に、入院を拒否したり、入院している病院を抜け出した患者らに対する1年以下の懲役刑を含んだ罰が問題となります。厳しくしないと実効性が確保できないというのが政府の考えでしょうが、新型コロナの特殊性を考えると、過度に過ぎる罰則は感染防止という法の目的をかえって阻害する恐れがあります。

 大前提として、新型コロナは無症状者にも積極的に検査を受けて頂いて感染者を明らかにする必要があります。しかし、仮に感染が判明して入院を求められた場合、何らかのトラブルが生じて懲役の可能性まであるとすると、リスクを避けるため、そもそも積極的に検査を受けようというインセンティブが働きません。

 また、懲役刑の対象となるのは、入院を拒否したり、抜け出した患者ですが、入院が必要と判断されている時点で、危険な健康状態の方が多いということになります。そうした方々にまず真っ先に必要なのは治療です。ところが仮に原則的な刑事手続きに従うと、違反者は逮捕され、密室の警察署などに留置されて連日の取り調べを受け、場合によっては起訴されて、人の集まる公開の法廷で裁判を受けるという、感染防止や隔離、治療の観点から、およそおかしな扱いとなってしまいかねません。

 課され得る刑期も、DV防止法やストーカー規制法違反並みで、決して短くはありません。一概に全ての罰則を否定するわけではありませんが、感染防止に資さないと考えられる以上、懲役刑の導入には慎重になるべきです。

◆新しい分類の必要性
 一方、新型コロナを今後どのように位置づけるかも大きな論点です。コロナを「騒ぎ過ぎ」と主張する方の中には、位置づけを毎年発生するような季節性インフルエンザと同じ程度の区分に引き下げ、厳格な措置は不要とすべきとの意見もあります。しかし、第3波が襲来してここまで感染力の強さが示され、その危険度はインフルエンザの3倍とも言われる中で、普通の季節性インフルエンザと同じ扱いにすることはとてもできません。

 一方で、政府案は、コロナを「新型インフルエンザ等感染症」の一種と位置付け、強固な規制の維持を考えています。コロナはすでに今世紀初頭の2003年にも流行しており、今回は新型がパンデミックを引き起こしました。今後も新しいコロナが世界のどこかで発生し、大流行を引き起こす可能性が十分にあります。さらに、新型コロナは、相当数の感染者が無症状ながら、強固な感染力をもって周囲に感染させ、その一部が急速に重症化するという特性を持っています。

これは明らかにインフルエンザの特性とは異なるものです。従来の結核や季節性インフルエンザといった区別に無理やり当てはめるのではなく、新しいカテゴリとして独自に区分し、例えば無症状者への検査や、クラスターが発生した地域への集団検査等、特質にあった対応を個別に取ることを可能にして、長期的に対処していくことを考えるべきです。そのことが、新型コロナとの長期戦を明確に位置づけ、将来への展望を示すことにもつながると思うのです。
  
 

スタッフ日記 「火の用心」

 コロナ感染が収まらない中でのテレワークや外出自粛によって、自宅で過ごす時間が増え、キッチンで調理をする機会が多くなったという方もおられると思いますが、ガスコンロのスイッチを付けたままテレワークやネット会議に集中してしまい、火の手が発生!というケースが増えているようです。くれぐれもご注意ください。

 さて、火の用心は自宅だけではなく、公共施設でも気を付けなければいけません。学校や職場で、「火災発生!」の放送とともに、皆で外へ駆け出す避難訓練もよく経験されていることでしょう。

 国会では、昨年12月のとある日、突如として放送が鳴り響き何事かと思えば、「地下にて火災が発生したので避難してください」とのこと。すぐさま廊下に出て様子を伺うも、部屋の外に出てきた人はちらほら。煙は見えず、誤報かなとは思いつつ、停止する恐れがあるエレベーターは避けて、12階から延々と階段で1階を目指しました。

 その間、放送は繰り返し避難を呼びかけていましたが、下に降りてみると避難してきた人はちらほらで、どこかのんびりとしたムード。どうせ間違いだろう、という雰囲気が漂っていました。結局のところは、間違いだったとアナウンスがあり、すぐに事務所に戻りましたが、この状態では本当の火災だった場合でも、避難しない人が多いのではないかと心配になりました。

 火事だけではなく、豪雨や地震など、避難を要する機会は増えてきているように思います。決して甘く考えずに、念には念をおして行動しないといけないなと思った抜き打ちの「避難訓練」でした。(アタリ)

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