猛暑が続く中、今年もまた、原爆の日を迎えました。私も、6日に広島、9日に長崎で、原爆犠牲者を慰霊し、平和を祈念する式典に参列しました。
◆戦争を記憶することの大切さ
広島の式典には、被爆者や遺族ら5万人と、過去3番目に多い89か国の大使らが参列し、平和への祈りが捧げられました。式典では、参列者の平和への強い思いと共に、戦争を記憶し、後世へと伝えていくことの大切さと難しさを改めて感じました。昭和から平成、そして令和へと時代が移ろい、戦争や被爆の惨禍を経験し、現実の記憶に残す方は高齢化し、少なくなりつつあります。国民が悲惨な戦争の記憶を共有していくことは、戦争を避け、平和を築くための礎です。戦争をいかに後世へと語り継ぎ、教訓とするかは、令和を平和な時代としていくための重大なテーマです。
今でも、遠方から小学生の代表が平和式典に参列する試みなどが行われているようです。そうした試みを拡大するとともに、各地域でも、戦争の惨禍を語り継ぐための体験教育などを更に取り入れ、若い方に記憶を引き継いでいかなければならないと考えます。
◆消えぬ核兵器の脅威
国際情勢を見ると、核兵器の脅威は決して小さくなってはいません。アメリカは、オバマ前大統領が核廃絶への意欲を示し、広島訪問も実現しましたが、その理念は現実とならず、トランプ大統領には、むしろアメリカの利益を最優先し、核兵器をカードとして戦略的に活用していこうという意図が垣間見えます。また、今月2日には、核軍縮のシンボルとも言える、アメリカ、ロシア間で結ばれていた「中距離核戦力全廃条約」が失効してしまいました。ロシアや中国は独自に核戦力の強化に努め、イギリス、フランス、インドなどの他の核保有国にも廃絶への動きは見られません。
さらに、イランや北朝鮮には核兵器開発の動きが見られ、アメリカとの関係は一触即発の状況です。核兵器廃絶に向けての国際秩序が乱れる今、軍拡競争が激化し、核兵器が現実に使用されてしまう危険性が高まっていると言えます。
◆核兵器廃絶への断固たる決意を示せ
こうした国際情勢の中で、日本も防衛のためには核兵器の保有を検討するべきだという声が、一部の国会議員から聞かれます。政府は、国連で議題となった核兵器禁止条約に、日本は参加しないことを表明するなど、核の廃絶に対して煮え切らない態度を続けています。これは主に日米安保で依存する核大国アメリカの顔色をうかがってのことですが、外交の選択の幅を狭め、核廃絶に向けての国際的な日本の立ち位置をあいまいにするものです。
松井一実広島市長は平和式典で、核兵器禁止条約への加盟を求める被爆者の思いを政府にしっかりと受け止めていただきたいと述べられました。私も、率先して核兵器禁止条約に加盟し、戦争と核兵器の惨禍の記憶を世界に発信しながら、核兵器廃絶のためのイニシアティブを取っていくことこそ、日本の、未来にわたる責務だと考えます。
スタッフ日記「スマイル・シンデレラ」
女子ゴルフのメジャー大会で20歳の渋野日向子が42年ぶりの快挙を成し遂げました。
全英女子オープンの優勝は、1977年の全米女子プロ選手権を制した樋口久子以来、男女を通じて二人目で、若さあふれるプレーで文句なしのメジャー制覇をやってのけました。
今回のラウンド中、駄菓子を食べながらカメラ目線で笑顔を振りまく様子や、コースのつなぎで激励するファンに笑顔でハイタッチを繰り返す姿は、見ている者に清々しさを感じさせ、私も今後、ますます応援したくなりました。
負けず嫌いで怖いもの知らずの彼女は、ガンガン突き進む性格。その意志の強さを、最終ラウンドでも見せてくれました。ミドルホールで1オンを狙い成功させ、優勝を決めた18番バーディパットも、外せば2メートルは先にボールが転がり落ちてしまう、そんな場面においても、変わらない強気な攻めの姿勢に、心地よさすら感じさせてくれました。
「すごいことしてしまったな」と、一夜明けた彼女のインタビューでの発言は、自信を持ちながら、真にスポーツを楽しんでいるように思えました。アメリカツアーですでに3勝の畑岡奈紗(21)や、国内ツアー4勝の勝みなみ(21)、など若手プロが活躍する黄金世代、渋野日向子の全英制覇、そして世界ランキング14位にランクアップなど、2020年東京オリンピックでのプレーもますます楽しみになってきました。
「スマイル・シンデレラ」今年の流行語大賞間違い無し!(スギ)