2023年:ウクライナ戦争はどうなるか?

 ウクライナでは戦闘が続いたまま新年を迎えた。2023年、戦争はどうなるのか? プーチン大統領は、大晦日恒例の国民向けテレビ演説で、ウクライナでの特別軍事作戦を始めた2022年を「必要不可欠な難しい決定の年」だったと回顧した。そして、「祖国を守ることは祖先と子孫に対する神聖な義務だ。道徳的、歴史的正義はわれわれの側にある」と述べた。 この演説を受けて、ゼレンスキー大統領は、ロシア国民に向けて、「(プーチン大統領)は皆さんの後ろに隠れている。そして皆さんの国と未来を燃やしている。ロシアによるテロについて、誰もあなたたちを許さない。世界の誰もあなたたちを許しはしない。ウクライナは許さない」と反論した。その上で、新年の祈りとして、「国民が帰還し、兵士は家族の元に戻り、捕虜は自宅に戻り、移民はウクライナに戻ってくるように」と語った。 欧米から最新鋭の兵器を供与され、反転攻勢に出ているウクライナは、2014年3月18日にロシアが併合したクリミアを奪還するまで戦闘を続けるという。これに対して、プーチンは、1954年のフルシチョフによるクリミアのウクライナへの割譲が違法であり、その違法性を正して併合したのだと主張する。  この両者の主張は真っ向から対立している。昨年3月の停戦交渉では、クリミアの帰属問題は15年間かけて議論する、つまり「棚上げする」ことに両者が合意していた。しかし、その後、ブチャで民間人が虐殺されたことが明るみに出て、停戦交渉は頓挫した。 もしこの「棚上げ」路線に戻れれば、停戦は可能だが、今のウクライナはそれを受け続きをみる

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