アメリカとイランの対立は深まり、オマーン湾でのタンカー被弾については、お互いに相手の犯行だと罵りあっている。トランプ政権下では、中東の緊張は高まるばかりである。 イスラエル・パレスチナ問題がそうである。第二次世界大戦後の世界は、武力による領土の拡大を認めておらず、それが国際社会の原則となっている。イスラエルはゴラン高原を占領しているが、それを国連は承認しておらず、イスラエルの撤兵と占領地の返還を求めている。 アメリカは、クリミアを武力で併合したロシアを批判し、制裁を課しているが、同様な国際法違反を犯したイスラエルには異なった態度をとるというのは、首尾一貫しない。トランプが、先にイスラエルの首都をエルサレムに移したのも、パレスチナ問題の解決に長年尽力してきた国際社会に対する背信行為であった。 トランプは、次期大統領選での再選のことしか念頭にない。親イスラエルを強調することによって、キリスト教保守派の支持を調達する狙いである。 イランとの対立激化は、原油価格の高騰など、経済的にも悪影響をもたらしている。トランプは、イランと続きをみる『著作権保護のため、記事の一部のみ表示されております。』