厚労大臣として2009年の新型インフルエンザにどう対応したか(5)

 しばしば「縦割り行政」と問題視される日本の省庁だが、一連のインフルエンザ対策を通して、各省庁の間に大きく横たわる「縄張り意識」を感じずにはいられなかった。 例えば、空港での機内検疫をやるとする。すると、国土交通省が「空港は我々が管理をしている」と口を出す。 厚労省が「インフルエンザ感染の疑いがある乗客をリストアップするために、登場者名簿を出してくれ」と航空会社に依頼をしても、なかなか首を縦に振ってもらえない。私の東大時代の教え子が、国交相の秘書官のひとりだったので、彼を通じて再度、お願いすると、簡単に許可が出た。企業もまた、官僚の縄張り争いの中にある。 学級閉鎖をするとなると、今度は文部科学省が、「それはウチの権限だ」と、間に入ってくる。「危機管理」にかかわると聞けば、官邸の内閣危機管理監もかかわろうとしてきた。 私はその度に、「これはウチの省でやりますから」とそれぞれの大臣に話を通し、半ば強引にインフルエンザ対策を進めていった。こういう時は、大臣4期目という経歴が役続きをみる

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